作家や画家が使った手帳を再現したという、モレスキンなる手帳があります。
ハードカバーをゴムバンドで留める無骨な、マニア間でとても有名な品で、この手帳にはいろんな類似品があります。
なかでもペーパーブランクスは60種以上の装丁と大小6サイズで多様に展開され、実用上はモレスキンとほとんど同じなのにそれと異なる印象を与えることに成功した模倣品です。中国製。
糸かがり綴じ、栞紐あり、176ページ、6.5mm罫、無地、ドット方眼罫。横罫以外入手しづらい。
表紙は磁石かゴムバンドで閉じておけます。磁石式が多い。
6サイズのうち、ミニはモレスキンポケットサイズとほぼ同大で、同じく巻末にポケットあり。
中紙は簀(す)の目入りレイド紙(細いすじが型押しされた紙)で中性紙。
ミューズコットン紙やマルマンアンチークレイド紙と同じ模様ですが、あれほどはっきりと型押しされていないので松原健治のようには塗れません。
筆記の感触は、堅いペン先でも柔らかく感じられ、クッション性があると勘違いしてしまうような、そんな紙です。が
スタイルフィット0.28でも引っかからずに書けます。
万年筆インクに対しては、滲み裏ぬけしやすいのが残念なところ。これについては良好との噂でしたが、私有品はモレスキン以下でした。
裏ぬけは少々で気にしなくてよいと思いますが、滲みやすく、インクによっては字幅が一段階太くなります。それでも万年筆で書いてますけど。
ゲルインクボールペンは太字以外なら概ね大丈夫。
"ダマスマーブル"ミニ PB4777
「万華鏡の輝き」コレクションの一つ。
表紙は型押し加工された厚く堅い紙。遠目に見ると螺鈿(らでん)のようです。
これはゴムバンド留め。ゴムを外してもだらんとせず見目よいですね。カドが大きく丸められているため、巻末ポケットは小さめ。
"ハンドツール"ミニフレキシ PB4562
革を模した表紙はやはり紙で堅い。けれども薄いのがフレキシ表紙の特徴です。
こちらは磁石式。磁力は弱く、接触面以外では金物がくっつきません。
ページのカドは丸められておらず、ポケットはモレスキンと同じ大きさ。
この表紙は
トンボおんぶっくボールペンのノック解除ボタンと頗る相性がよく、画像の位置に挿すと確実にノック解除されます。
細かな型押し加工が効いているようです。
ポケットに何を入れたらいいかわからない場合、ボールペン替芯を入れたらどうでしょう。
装飾性を加えただけの模倣ですが、うまく成立した商品に思います。
日本でも同様に装飾性豊かなものがないではないのですが、女学生向けに特化しているためそれ以外の者は手を出しづらいのです。
商品企画はカナダの会社で、中国製だから模倣品というわけではありません。ちなみにモレスキンも中国製です。
日本製モレスキンが待望されながらも、かつて猿マネ大国と呼ばれた反動からか、このような模倣品は日本にはあまりないですね。iPhoneコピーはあるのに。