小ネタ集
短めのお話


▽原沖
幕末のその後
===

僕は、秋が好きだ。

周りが好きな色に染まっていき、すごく幸せな気分になれる。

なんだか、その真ん中に立つと、あの人に包まれてるみたいで。

すごく、心が暖かくなる。

それに

「総司」

肌寒いぶんだけ

「そんなとこで突っ立ってると風邪引いちまうぞ」

大好きな人の優しさが

「こっち、来いよ」

暖かく感じられるから。

だから、秋が好き---

僕は、大好きな赤の中へ飛び込んだ。

暖かく、愛おしい、赤の腕の中に。


2011/11/28 06:14


▽沖斎
小説『酒』の次の日の朝
===

「…(げっそり)」
「…総司、どうしたというのだ。そんなに疲れた顔をして。昨日は眠れなかったのか?」
「…うん、誰かさんのおかげでね(ニコリ)」
「…??(首を傾げる)」
「っ!!//(くそぅ…可愛いなぁ、もう…//)」
「…よくわからんが、そんなことでは隊務に支障をきたす。今日は巡察は俺の隊と共に夜であろう?それまで少し休むといい。」

そういい残して去ろうとする斎藤さん。

「…」
「…ん?」

沖田さんが斎藤さんの袖をぎゅっと掴んでいた。

「…そう、じ?」
「…はじめくんが一緒にいてくれないとヤダ。」
「!?//い、いきなり何を…」
「昨日、僕ちゃんと我慢したんだから、ご褒美に我が儘ぐらい聞いてよね。」
「は、話が読めぬのだが…//」
「そうだなー。昨日君に、僕に触ってほしいって、泣いて頼まれちゃったし?」
「!!??//」
「今日は1日、僕の抱き枕にでも、なってもらおうかなぁ♪」
「い、いきなり何を…//」
「あ、もちろん、今夜は君を寝かせる気はないからね。君も昼のうちにちゃんと休んでおいた方がいいよ♪」
「!!//」
「じゃ、今から僕の部屋、行こっか♪」

===

お預けを喰らった沖田さんの復讐(笑)


2011/11/24 01:45


▽沖斎
羽織りの代わりに制服を纏い
巡察ではなく帰路として道を歩く

腰にあった命ともいえた重みは今はなく

ただ鞄を手に持つのみ

闇に包まれた道は
今は明るく
先の足元を照らしている

色々と変わってしまったものだ

しかし

「はじめくん」



隣にあんたがいるのは変わらぬな

どんな時も俺の隣にはあんたがいる

いつか笑いながらそう話したとき、翡翠を細めながら頷いてくれた



名を呼ぶものの手をとれば
そっと引き寄せられる肩

「見てみてよ」

上を見上げるあんたにつられて空を仰げば

あの頃のように星が輝いていた

数は少なくなったやもしれぬが
輝きは何一つ…

「変わんないね」

そう言って強まる手の力

俺は応えるように握り返す

今日も、星がきれいだ


2011/11/05 05:42


▽斎沖
「トリックオアトリート」

学校の帰り際に、大好きな人から放たれた言葉にひどく驚いた

今日はハロウィン。

僕から仕掛けるつもりだったその言葉は、意外にも彼の口から放たれた

一くんって、こんな行事を覚えてるような子だったっけ?

「え…えーっと…」

ポケットを漁るが、生憎…

「なんだ、何も持ってはおらぬのか?」

そう。何も持ってない。

だってまさか君から言われるなんて思ってなかったから

「…う、ん」

僕の返事に一くんの口元が悪戯に緩む

「だったら…」

グイッと手を引っ張られ、人通りの少ない路地へと入った

そして僕の肩を引きつけ、顔に息のかかる距離で囁かれる

「菓子の代わりにあんたを貰うとする」

そういうと少し背の高い僕の頭に手を回し

そっと、口付けた


「〜!!//はじめく…//」
「あんたは…甘いな」


僕の抗議の言葉を遮り、一くんは優しく笑う

「菓子などより、あんたを貰えてよかった」

そう言って僕の頬に手を添える

「…その顔、ずるいよ…//」
「お互い様だ」

再び、口付けを交わす

お菓子なんかより
もっともっと甘い、口付けを。

*happy Halloween*


2011/10/31 19:24


▽龍沖
「ん」
「へ…?」

学校の帰り道、いきなり差し出された右手をマジマジと見つめる。

「お、沖田…?」
「だから…ん!!」

さらに手を伸ばされても俺はその意図を理解できなくて…

「えーっと…何?」

思わず尋ねると、ものすごい形相で睨まれた。

「なんで君はこんなに疎いのかな!!信じらんない!!」

そう言うと、俺の左手をギュッと握ってきた。

「え…//」
「今日は寒いんだから、手をつないで僕を温めるとか、そういう気遣い出来ないわけ!?まったく!!」

そういう沖田の手はとても温かくて。
逆に俺が温めて貰っているように感じる。

「それに…」

沖田は言葉を続ける

「君、風邪気味なんだから温まり方ぐらい自分で考えたら…?//」

驚いて少し前を歩く沖田を見やる。

表情は見えないが、こいつの反応は実はすごくわかりやすい。

耳まで真っ赤なんだ。

俺は緩む口元を抑えながら、繋がれた左手に力を込める。

そして前を歩く可愛い恋人の隣に並び、いつもは少し間があいている2人の距離を少しだけ詰める。


すごく、すごく暖かかった。


2011/10/25 21:36


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