小ネタ集
短めのお話
▽沖斎
「ダメだ」
風邪を引いて寝込んでる僕に、はじめ君が冷たく言い放つ。
「けちんぼー。なんでダメなのさぁー」
「まだ肌寒い。故に今外に出れば確実に風邪が悪化するだけだ」
そう言って僕にふとんをかけ直し、はじめ君はスッと立ち上がった。
「桜ならまた来年見よう。風邪などで死なれては困るからな。」
そう言うと足早に部屋を出て行った。
桜は今週には散っちゃうって、ニュースで言ってたから…
君と一緒に見たかったのに…
(はじめくんのばか…)
少しふてくされた僕は布団を深く被って眠りについた。
どれぐらい寝ていたのか。
起きると何やら甘い香りがする。
「む…総司。起きたのか」
ベッドの横で本を読んでたはじめ君が声をかける。
「…なんか…甘いにおい…」
「あぁ、これだろう」
そう言って、はじめ君はピンク色のものが乗ったお皿を僕に見せた。
これは…
「さくら…餅?」
びっくりして君を見ると、君はとても優しい目をしていて…
「あんたは言い出すと聞かぬからな。せめて、これで我慢してくれ」
そう言うと、どこで拾ってきたのか。綺麗な桜の花びらが数枚、君の手のひらから現れて。
「…はじめくん…ありがと…」
僕がそう言うと、また優しい目をして笑う。
ありがとう、はじめ君。
人生で一番、幸せなお花見だよ。2012/04/14 20:23
▽エイプリルフール(原沖)@幕末
心臓が止まりそう。
今僕は…
ずっと思い続けていた左之さんに抱きしめられて
「総司…愛してる」
夢みたいな言葉を囁かれて
嘘みたい、こんなの…
…う、そ?
あ…そういえば…
「さ!!左之さん!!//」
「な、なんだよ総司!」
僕は左之さんを少し手で押し返し、距離をとる。
「それ!!ウソなんでしょ!!??//」
「はぁ??!なんでこんなウソをお前につかなきゃいけないんだ?」
「だって!!だって今日は、西洋ではウソが許される唯一の日だって!!昨日新八さんに聞きましたよ!!」
「…(あいつ、寄りによってこんなときに…)」
左之さんが頭を抱えてる。
僕を騙そうなんて。
しかも寄りによって、こんな…
「ひどいですよ、左之さん!!寄りによってこんな笑えない嘘つくなんて!!//」
「…笑えない…?」
僕はその言葉にハッとする。
これじゃ、今まるで…
僕は左之さんに告白したみたい…
「…っ!!//」
その途端、自分の頬に熱が集まるのを感じた。
「…ち、違う…//つ、つまんない…。そう!!こんなくだらないウソ、つまらなすぎて笑えませんよ!!//もっと次は…マシなウソを…」
「総司」
名前を呼ばれて、左之さんに向き直す。
僕を見つめる目はすごく真剣で。
「今日は嘘、ついていい日だとか、俺は全く知らなかった。さっきの言葉、信じてもらいたいが…ただ、俺は…」
「ウソでも、お前が嫌いなんて、言えるはずがねぇ」
「っ!!//」
「なぁ、お前の気持ち。ウソじゃねぇ本当の気持ち、聞かせてくれよ…」
再び抱きしめられ、僕もおずおずと背に腕を回す。
僕の…本当の気持ちは…2012/04/04 02:19
▽原沖
昨日のチャットでディ○ニーに行ったときに彼らは耳をつけるかつけないかってお話になって…ww
それでつける場合の1妄想。
ほんまは沖田さんがつけたいんだけど…ていう設定ですwww
===
総司が、さっきからすれ違う奴に目をやってる。
そいつらには皆共通点があるんだが…
「総司、どうかしたか?」
「え!?う、ううん。何でもないですよ//」
少し慌てた様子で取り繕うあいつ。
…耳、つけたいのか?
そう、さっきから視線を送るやつの共通点は、全員キャラクターの耳をつけているということ。
総司は無意識なんだろうが…
羨ましそうな目でそれを眺めてる。
でも、自分からは絶対そんなことは言わなくて…
(ったく…)
俺はあいつの少し幼い面を見つけ、微笑ましく感じながら、総司に声をかける。
「なぁ、総司」
「ん?なんですか?」
「俺さ。1つやりてぇことがあるんだ。」
「へぇ、なんですか?そのやりたいことって」
あいつが首をかしげながら見上げてくる
「あれ、一緒につけようぜ」
「え…?」
俺が指した先には、いろんな種類の耳が置いてあった。
「みみ…ですか?」
「ああ。せっかくだし、気分もあがるしな。…どうだ?」
そう言って総司を見る。
あいつは目を輝かせて、すごく嬉しそうな表情をしていたが…
「!!//…さ、左之さんがつけたいっていうんなら…しょうがないですね…//」
俺の視線に気付き、慌てた様子で応える。
「…サンキュー」
俺たちは肩を並べて店に入っていった。
===
沖田さんは自分からつけたいって言わないと思うんですね。
でもつけたいんだろなっていうのを感じた左之さんが、自分がつけたいからって言って、優しくそれを叶えてあげるっていうwww
他にも無数にある妄想の1パターンwwwでした2012/03/18 23:08
▽原沖
「…ん…さむっ…」
あまりの寒さに眠りを妨げられ、僕はうっすらと目を開けた。
昨夜の情事のあと、そのまま眠ってしまった僕らは、衣服を纏わず1つの布団にくるまっていた。
肩に触れる外気がやけに冷たい。
左之さん…
隣に目を遣るとまだ寝息をたてている愛おしい人。
そっと頬に触れると、長いまつげが少し揺れた。
「ん…そう…じ…?」
「ごめん、左之さん。起こしちゃったね」
うっすらと開かれた琥珀に声をかける
まだ覚醒しきっていないはずの左之さんに、そっと引き寄せられる。
「左之、さん…?」
「…寒く、ねぇ…か?」
まだ微睡みながら、閉じかけた琥珀で僕を見つめて。
ギュッと抱きしめながら、耳元で囁かれる。
それだけで、顔が火照ってきてしまう。
「…ちょっとだけ、寒い、かな」
そう言って僕は彼の胸に顔をよせる。
鼻腔を擽る、左之さんのにおい…
そんな僕に、左之さんは少し笑って
優しく頭を撫でてくれる。
左之さん…
だいすき
そしてまた、僕たちは夢におちる
互いの温もりを感じながら2012/02/05 22:28
▽龍沖
それぞれの年の越し方
===
(井吹くんのバカ…)
沖田と井吹は、大晦日、一緒に初詣に行こうと約束していた。
しかし、井吹が突然芹沢さんに呼び出されて…
『わりぃ!!沖田!!用事終わったら絶対行くから!!』
そう、電話で告げていたのだが…
(あと5分で年越しちゃうじゃない…)
沖田はぼんやりとテレビの時計を見て溜め息をついた。
(どうせ今日は来れないだろうし、もう寝よっかな)
そう思って腰をあげたとき…
ピンポーン!!
いきなり玄関のベルが鳴った。
(…まさか!!)
走って扉を開けると
そこには肩で息をしている井吹が。
「…はっ…わ、わりぃ、沖田…遅くなって…」
「い、井吹…く」
「あ!!まだ年越してないか!?」
「え、あ…あとちょっとみたいだけど…」
「そうか!!よかったぁ…」
ギュ…
「え??!ちょっと!!//」
「あ、わりぃ。俺、汗…」
「いや、そうじゃなくって…いきなりどしたのさ?芹沢さんは?」
「言われた仕事、全部急いで片付けてきたんだ。新年の最初は、やっぱお前と一緒に居たいだろ?」
「〜っ//でも…君の家こっからかなり遠いんじゃ…」
「沖田」
チュ…
「!!////」
「文句なら…また今後いくらでも聞くから…」
「…いくら僕でも、文句なんて、言うはずないじゃない//」
「…そっか」
『ハッピーニューイヤー!!』
つけっぱなしのテレビから流れる、新年を迎えた人たちの声。
「「…はは、」」
2人で顔を見合わせて笑った。
「…今から、初詣行くか?」
「うん!!」
寒空の下、2人で肩を寄せて部屋を出た。2012/01/06 02:49
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