[飛鳥]





優からの質問にドキンッと心臓が音を立てる。

ついにきたこの時が。

まさか今日聞いてくるとは…

優はあの日のあの約束を覚えてて言ってるの?




「ねえ約束覚えてる?」



『約束?』



「小学5年生の時の。」



『5年生…』



「私が学校に行かなくなって、優が家に遊びに来ても私はいつも酷いこと言って追い返してて…」



『あー!そんな事もあったけ。私はこんなに辛いのに幸せそうな奴が目の前にいるのが腹が立つって言われたりもしたっけなあー。』




海を見ながら笑う優。

今では笑い話にできるようになった。

あの時の優の言葉がなかったら私はどうなっていただろう。


"友達が多いから幸せとか、楽しくて笑ってる事が幸せになるなら、確かに今の飛鳥は辛いね。私は飛鳥の辛いを少しでも幸せに変えたい。
飛鳥が今幸せだよって言えるまで飛鳥の隣にいるよ。約束する。だから飛鳥も変わろうよ。"



「約束までは覚えてないか…」



『待って。約束…約束…』




うーんと考える優。

忘れててもいいと思ってたけど、実際に忘れられてるとショックだなぁ。

私の中ではこんなに濃く残っている出来事なのに。





「もういいよ。さっきの質問だけど…」



『飛鳥は変われたよ。昔と全然違う。大分思ってる事も伝えれるようになったと思う。相変わらずネガティブな所もあるけど。』



「え?」



『さっきの質問答えなくていいや。約束思い出した。』



「いいの答えなくて?」



『うん。まだ飛鳥の隣にいたいし。』


「私は今幸せだよ。」



『ねぇ!ちょっと言わないでよ!』



「はははっ!言っちゃった〜!」




バカー!って叩かれるけど、本当に幸せで。

過去は変えられないけど未来は変えれる。

言っちゃっても優は隣に居てくれるって信じてる。



『まぁ、これからも隣に居続けるけどね。』




ほら、やっぱりね。

こんな優が大好きなんだ。




end

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