[七瀬]
「なぁなぁ。」
『ん?』
「今日夜ひま?」
『うん。』
「うちで鍋せえへん?」
『いいね。泊まっていい?』
「もちろんええで?」
こうして急遽決まった鍋ぱしかもお泊り。
優を誘ったのも意味がないわけじゃない。
明日は私の誕生日。
前に1回言っただけだから覚えてるんかなぁ。
やっぱり好きな人に一番最初に祝ってほしい。
まあそんなこと自分から言えるわけないんやけど。
家に一旦着替えを取りに戻った優を待っている間にご飯の準備。
着いたよとLINEがきたのでのぞき穴で外を確認すると早く会いたかった愛おしい人。
「おかえり。」
『ふふっ ただいま。ちゃんと…』
「ちゃんとのぞき穴で確認したで。」
『ならよし。いい匂いする!お腹すいたー!』
「もう出来てんで。来るの待っててん。」
『ありがとう。食べよー!』
美味しい美味しいと笑顔で言ってくれる優が可愛くて愛おしくてたまらない。
ご飯を食べ終えると作ってくれたからって、片付けは全部優がしてくれて今はまったりタイム。
「なぁなぁ、今日告白されてたやろ?」
『見てたの?やらしー!』
「たまたま通りかかってん。ほんまモテるなぁ…。オッケーしたん?」
『してないよ。』
「そっか…」
『七瀬もこの前告白されたでしょ?七瀬に告白しようとする子、だいたい私に一回いろいろ聞きにくるからわかりやすいんだよね。』
「そうなん?何聞かれるん?変な事言ってないやろなあ?」
『よく聞かれるのは、2人は付き合ってるのかとか七瀬の事好きなのかとかかな?』
「なんて答えてるん?」
『嘘はよくないから全部正直に。』
それを聞いてんねんと思いながらも突っ込めないのは、正直優の気持ちを聞くのが怖いからなんだ。
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