『えっと場所!?ここどこだろ。ちょっと待ってください。』


そう言うとここどこ?と笑いながら携帯を差し出して聞いてくる女の子。
あー、そういうことか…
携帯を取り、電話相手に伝える。


「すみません、やっぱり大丈夫です。はい。はい。すみませんでした。」

『ちょ… タクシーじゃないと帰れないんだけど。』

「うち泊まりなよ。こうなったの私のせいだし。」

『お母さんに知らない人には着いてっちゃだめって言われたー!』

「知らない人って… 私は白石麻衣。乃木坂大学の3年。誕生日は8月20日、A型…」

『ははっ もういいよ!』

「ほら行くよ!あっ!私も知らない人家にあげちゃダメだったんだ!」

『鈴木優。乃木坂大学の3年。誕生日は…』

「待って、同じ大学!?」

『そうみたい。』



全然知らなかった。
たぶんキャンパス内ですれ違ったりはしてたかもしれないけど…
家に着き急いで暖房をつけてお風呂の準備。
待ってる間も完全に冷えた体はすぐには温まるわけなく、優の体を触るとまだ冷たい。
秋とはいえ、夜はもう寒いもんなあ。


『何?』

「まだ寒い?」

『もう平気だよ。風邪ひいたらまいやんのせいだからね。代わりに授業出てね?』

「それは引き受けるしかないわ… あっ、お風呂できたみたい。タオルとか使っていいからね?」

『ありがたくお借りします。』



しばらくするとお風呂から出てきた優は満足そうにあったまったー!と無邪気に声を上げて出てきた。
入れ替わりで入った私がお風呂から出てくるとソファで横になってる。
声をかけると起きてるのか起きていないのかわからない反応を続ける。


「優ー?風邪引くから。」

『ん。』

「ベッドで寝なよー。」

『ん。』

「起きてる?」

『ん。』



モゾモゾと動いたから起きるのかと思いきや寝返りをうつから当然落ちる…
うわ、痛そう。


『いった…』

「目覚めた?」

『痛い。』

「ほらベッドで寝よう?」

『一緒に?』

「嫌なの?」

『ううん。蹴ったらごめんねー!』



そう言ってベッドにダイブ。
意外と子供っぽいんだなあと思いつつ横にもぐりこみ、背中を向けて携帯をいじってる優の方を向いて一方的に話しかけた。



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