[優]


隣のクラスのみんなに誘われて一緒にかき氷を食べにきた。
今はみんなメニューとにらめっこ。
私も理佐と一緒にメニューをのぞきこむ。


「理佐どれにする?」

『これかなー。優はこれ?』

「うん。よくわかったね。」

『イチゴ好きだもんねー。でも絶対美味しいよこれ。』

「うん、好き。一口あげるね。」

『私のもあげる。』



そんな会話をして、顔をあげると愛佳がスマホをこっちに向けてニヤニヤしている。


「何撮ってんだよ。」

愛佳『やり取りが完全にカップルなんだもん。』

「今の?どこが?」

齋藤『ねえねえ!2人もっとくっついてこっち向いて?』

「何で?」

齋藤『うちのクラスに優と理佐幼馴染ペアのファンの子がいるの。』

『どんなファンなのそれ…』

愛佳『2人知らないかもだけど、幼馴染ペア人気だよ?』

「へー。」



チラッと理佐の方を見ると、気のせいか耳が赤いような気がする。
しばらくして注文したかき氷がゾロゾロと届き始める。
約束通り理佐のかき氷を一口もらおうすると、みんなの視線がこっちに向く。


「え?何?」

愛佳『あーんは?』

「いやいや、しないでしょ。スプーン持ってるじゃん。」

齋藤『そんなの関係ないよ!人にあげる時はあーんってしてあげなきゃ!』

「そんな決まりないでしょ。ね?理佐!」

『はい、優あーん…』


理佐もみんなの悪ノリに乗り始める。
こうなったら素直に口を開くしかない。
口に入ってきたかき氷。


「え!美味しい!こっちにすればよかった…」

織田『ほら、優お礼にあげなきゃ!』

「はい。どうぞ。」

尾関『違う。あーんは?』

「…あーん。」


理佐も照れ臭そうに口を開けて、食べて私と同じ言動をする。
するとテーブルに置いていた携帯に一件のSNSの通知が届いた。
その通知は私だけに届いてたわけじゃなかったみたいで、みんなが携帯を見てニヤッと笑っている。
みんなが笑った理由はSNSを開いてすぐにわかった。



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