[理佐]


今朝優がネクタイを結べるのを初めて知った。
確かによく考えれば体育とかで着替える時にネクタイ外すもんね。
半年も気づかなかった私もバカだった。
1人で教室に向かっていると後ろから馴染みのある声が。


愛佳『おはー。』

「おはよ。」

愛佳『あれ?旦那は?』

「着いてそうそう後輩に呼ばれてた。」

愛佳『もうすぐ文化祭だし告白ラッシュだねー!』



そう、優はモテすぎる。
ショートカットに中性的な甘いマスク、笑ったら可愛いし、スポーツやらせりゃカッコイイ、そして誰にでもフレンドリーで優しい。
女子校であるこの学校でモテるべき条件を満たしに満たし、最近は週に1回は呼び出されてる。


愛佳『あれ見て。優じゃない?』


そう言われて愛佳と一緒に教室の窓から外を見ると、優とさっきの呼び出していた子が中庭を並んで歩いてる。


「付き合ったのかな…」

愛佳『あちゃー!りっちゃん旦那取られたー!』

「いや、私達付き合ってないし。ただの…」

愛佳『いつまでただの幼馴染なの?逆に1番チャンスあるのに!もったいない。』

「いや、今さら言えないでしょ!」


何回か伝えようと思った時はあった。
でも言えなくて、すぐにごまかして。
でも自分の中の気持ちにごまかしはきかなくて、悔しいくらいにどんどん好きになっていくのがわかった。
告白されるたびに、付き合っちゃわないかドキドキしている。
そして結果をいつも帰り道に聞いてホッとする。
これが毎回の流れになってしまっている。
授業が終わり帰りの準備をして優が来るのを待ってると、おぜがニコニコしながら寄ってきた。


尾関『理佐、今日バイト?』

「ううん、何にもない。」

尾関『おだななとふーちゃんと愛佳とかき氷食べに行くんだけど行かない?』

「あー…」

愛佳『りっちゃん、旦那の告白の結果が気になるから早く聞きたいんだよ。』

織田『あいつはまーた告白されてんのか!こんな可愛い子が近くに好きでいてくれてるってのに!』

齋藤『まあ、理佐も何も言わないからねー?』



みんなにやいやい言われて何も言い返せずにいると、教室の外から大好きな落ち着く声がした。


『理佐。かーえーろー。あれ?こんなみんな揃ってるの珍しいね。』

愛佳『今からかき氷食べに行かない?って話になってさ、丁度理佐誘ってたとこだったの!』

『そーなんだ。行っておいでよ!』

「え?優は?1人で帰るの?」

『別に子供じゃないんだから1人で帰れるよ?』

齋藤『優も行く?』

尾関『そうだね、一緒に行こうよ!』



結局みんなでかき氷を食べに行くことに。
張り切って1番前を歩く愛佳とだにの間に挟まれて、いじられてるのをみて自然と口元が緩む。
それを見たおぜとふーちゃんにだらしない顔してるよと言われて、我に返りピシッと表情を引き締めかき氷屋へ向かった。



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