[優]
屋上についてお弁当を広げて食べ始める。
ねるがさっきから一言も喋らない。
いつもはニコニコ話してくれるのになぁ。
いつもの大好きな笑顔を見せてよ。
「ねる?なんか怒ってる?」
『え、全然怒ってないよ。』
「いつものねるじゃない。なんかあった?」
『んー なんで2人なの?』
「え?嫌だった?」
『いや、珍しいなって。なんか悩みごと?』
「 悩みごとなんてないよ。2人で食べたかったから。」
『なにそれ期待しちゃうじゃん…』
俯きながら小さい超えでボソっとねるが言った。
聞こえたよ。ねる。
それって同じ気持ちって思っちゃっていいの?
こっちこそ期待しちゃっていいの?
「ねる…好き。」
びっくりして顔を上げたねるを真面目な顔を見つめる。
今にも涙が出そうなぐらい目をウルウルさせている。
え、思ってたのと違う。
私の勘違いだったか…
言うつもりはなかった。
でも勢いで言ってしまった。
ねるは優しいからこれから気を使わせてしまうんだろうなあ…
「ごめん、忘れて。」
『 嫌だ。』
「だってねる泣きそうだよ。困るよね急にこんな事言われても。」
『違う…違うの。優は理佐のことが好きだと思ってた。今日も理佐の事相談されるのかなって…』
「なんで理佐?確かに席も近くてよく喋るけど。」
『何回か理佐と2人でお昼食べてるの見たことあったから…楽しそうだったし…』
「あー 理佐にはねるのこと結構相談しててさ。早く告白しなよって言われてたけど、なかなか勇気でなくて。」
『ねるも優の事好き。でも想いを伝えて今まで通りできなくなるなら、このままでいいってずっと思ってた…』
「ねる、大好きだよ。付き合ってください。」
もう一度ねるの顔を見て伝える。
はいと頷くねるをぎゅっと抱きしめた。
Continue...
prev next
Middle Top