[優]
あとから追いかけてきたねると話しながら適当にみんなと挨拶をかわしつつ教室へ向かう。
好きな子から好きって言われないとなんも意味ないんだよねと思いながらねるをちらっと見るとバチっと目が合った。
見てた?いや、見たから気づいた?
誤魔化すつもりで笑いながらなに?って聞いても別にって返されるし…
人の気持ちがわからないのはこんなにももどかしいものか。
ねるを好きになったのはいつだろう。
1年生の時から可愛い子がいるなとは思っていた。
2年生になり同じクラスになって話す機会が増えて、登校するのも一緒になっていた。
1学期に一緒に委員会をやってもっと仲良くなって、気づいたら好きになっていたんだ。
「あっ!ねる今日2人でお昼食べない?」
『2人で?珍しいね。愛佳達はいいの?』
「うん。2人がいい。」
『どこで食べる?今日天気良いし屋上行く?』
「そうだね、屋上で食べようか。」
『ふふっ』
「なに笑ってんの?」
『なんか今日の優いつもと違うなーって』
「そう?変わんないけどなぁ…」
『まぁどんな優も好きだけどね〜。』
「え、何。今日のねる怖い。」
話してる間に教室に着く。
どんな優も好きか…
ねるの好きと私の好きは違うだろう。
違ってもいい。
好きと言う一言だけでこんなにドキドキできるんだ…
1時間目から4時間目までしっかり授業を受けて待ちに待ったお昼。
前の席の理佐に今日ねるとお昼食べるから愛佳と織田にうまく言っといてと伝えた。
全てを知っている理佐は了解、頑張れと笑っていた。
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