訪問客には御注意を。 2

マチクンに毛布を掛けてから戻ってみると部屋を移動したようだった。

やはり手前から行ってるようで次の部屋は早々に出たようだ。
空き部屋だから当たり前だろう。

その次は…


あ。


迂闊にも忘れていました。

丁度部屋の前まで来たところで思い至る。


私のスペアのナイフ等が入ったタンスとその奥には

冷蔵庫。


マズイなぁ。

あの二人。


中を覗いて見ると小声で何か話していた。


「うわー。スゴいっすよこのタンスん中。ナイフだらけ」
「はぁ?あの神父のコレクションか?」
「イヤー こんな物騒なもん神父が集めないっしょ。ガキの方じゃね?」
「はっこんな物に。金あんだなぁ?」
「でも切れ味は良さそっすね。持ってきますか」
「ああ。まあ売れんだろ」


そんな感じ。

そう言えばスペアは刃こぼれさせてないんでした。


染々考えていると少し軽いしゃべり方の男が不意に冷蔵庫を開けた。


止めそびれましたね。


「ん?肉?…あっ…」

あちゃー。
頭は捨ててますが まだミンチにしきってないんでした。

因みにマチクンが食べやすい様にミンチかスライスにするまでが私の仕事なんですよ。


「ぎゃっ…「ストーップ。マチクンが起きちゃうじゃないですか」っ…!?」

中を見て絶叫しそうな男の口を塞ぐ。

「なっ…」
「貴方も。黙っててください」

突然の登場に驚いたらしいもう一人も止める。

部屋に行ったついでにナイフを持ってきて良かった。

見ちゃったからには始末しないと。


「なっ…お前神父…。何で…」
「そりゃあ私 薬効かないんですから寝ませんので」
「はっ………?
……お前 そんな欠けた刃で俺に刃向かう気か?」

私のナイフをみて少し落ち着いた様子を見せる。
何せ自分の手には無数のナイフがあるのだ。

タンスに入っていた私の。だが。



全く。判ってませんねぇ…。



「こっちの方が楽しめるじゃないですか」



「…は…?」
「ァ……ァ…ぎゃ、っ………………」

だから。

「騒がないで下さいって」









「冴梛。その二人どうするつもりだ?」
「うーん。あの方々って空き巣や窃盗の常習犯なんでしょう?警察(新倉サン)に引き渡しますよ」
「……死体じゃあるまいな」
「まさか。睡眠薬入りながらお弁当貰いましたんでね。
…直ぐに気絶したんで抵抗しなくてつまんなかったですし」
「テメェ 後半のが本音だろう。
…ん?睡眠薬?」
「えぇ。一服盛られました。
マチクンの分も」
「……………ソイツ等殺ス」



そう言って殺しがいのない二人(マチクンの趣味でもないタイプでしたし)はお陰で新倉サンと言う名の生き地獄に連れていかれた。



「ん?神父サマ。おはようございます」

まだ眠そうなマチクンが毛布を羽織ったまま起き出してきた。

「おはようございます」

丁度戻ろうとした時だったため台所を出て直ぐでの朝の挨拶となった。


「…すいません。寝ちゃった見たいですね。食器ありがとうございます…。後毛布も」
朝食作りますね。ともと来た道を戻ろうとするのを立ち止まり私の方に振り返る。

「毛布。どうします?このまま返しちゃって平気ですか…?」

羽織っていた毛布を取り合えずたたみながら聞いてくるマチクン。

汚れてはないと思いますが

「今日は良く晴れていますよ」

私が言うと

「…じゃあ今日は毛布と布団類も全部天日干ししますか」

「いいですねぇ。手伝いますよ」
「ありがとうございます」

ホントに。
今日も良いお天気です。


end

[ 34/40 ]

[*prev] [next#]
戻る


top


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -