ヘマトフィリアの好み

「そう言えばマチクンて私の殺った人間の血って余り手を出しませんよね」
「…それもそうですね」
「何でです?」
「そうですね 出来るだけ普通の人間でいたいって思ってるのも有るでしょうね。でも…」
「でも?」
「一番は好みの問題かと」
「好み…ですか?」
「はい。やっぱり皆 味もそれぞれなんで」
「違うんですか」
「結構変わりますね」
「因みにマチクンの好みは?」
「んー やっぱり甘いのが良いかな。よく判んないけど 幸せ?な人が甘いのかも」
「ほぉ 面白いですね」
「神父サマの玩具になる人ってなんかゴツいし大味が多い…血気盛んな若者の方が良いです」
「ははっ…若者って貴方…。よくケンカしてる不良の事ですね?」
「えぇ。純粋に甘いのはきっとレンアイしてるカップルとかなんでしょうけど機会がないですし…。不良でも特にケンカ好きは正にその瞬間どんどん良い匂いになってきますっ!」
「…珍しくテンション上がってますね」
「あ…スイマセン…」
「良いですよ。所で私の血ってどうですかね?」
「…さぁ。神父サマはケガもしないじゃないですか」
「確かにそうですね。…舐めてみます?」
「っ!?」
「ちょっと待ってくださいね。二階に確かカッターがあった筈なんで」

「どうぞ」
「…いただきます」
「…」
「…」
「どうですか?」
「随分甘いですね。他にあまり無い不思議な味ですし。
多分 甘さだけで言うならケンカ好きと同じ位」
「幸せですからねぇ」
「…お楽しみ中ならもっと甘くなりそうですね」
「そうですねぇ。今度試してみます?」
「…遠慮します」


end

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