オタクですがなにか?
銀行強盗に巻き込まれまして

続編
「いやぁ。悪いわね付き合って貰っちゃって」

そう言って僕とカケルの肩をバシバシと無遠慮に叩くアイコ。
と言うのもとあるイベントに参加するべく集ったのだが アイコの手持ちが少なかった為に現在銀行に卸しに来ているのだ。

今はその順番待ち。
週末と有って人が意外と多かった。

「まだ時間はあるし大丈夫やろ」

携帯を見ながらそう言っているカケル。
端から見れば二人は委員長とクラスの人気者辺りのリア充に見えるのだが 実態は腐れ女子とカード限定熱血男だ。

しかもこの腐れ。態々僕らを隣同士に宛がって長椅子に座らせている。
自分はその後ろで絶賛妄想中。

脳内は見たくないものNO.1だ。

まぁ僕らも僕らで各々専門分野にせいを出しているのでまぁイイ。

気にしないが一番だ。



携帯を弄っているといつの間にか居なくなっていたアイコが戻って来た。

「お待たせ…「手を挙げろっ!!」

アイコの言葉を遮った大声の主は 突然入って来た目出し帽に拳銃と軽そうなボストンバックをもった怪しさ100点満点な男。

これで強盗じゃなかったら逆に怖い(笑)

そんな強盗(むしろ希望)が後三人。


「客は全員端に寄れ!」
「お前は金を詰めろっ。変な真似すんなよ!サツを呼んだらぶっ殺してやる」

…うん。テンプレ上等な見間違うこと無き強盗四人組だ。



「きゃぁっ!」

そして声を荒げていた強盗のリーダーっぽいヤツが手近にいた人間を人質にした。

それがまぁアイコだったりするんだなぁ。これがまた。

「相子っ!?」

素直に端に寄っていたカケルもこれには驚いたようだ。


「言う事を聞かないとこの女を殺す。いいか 脅しじゃねぇぞ!」


とアイコの頭に拳銃を突き付ける。

困ったね。流石にアイコを見捨てては目覚めが悪いだろうし…。

「空羅君 空羅君」

悩んでいると不意にアイコに呼ばれた。

「なんだい。アイコ」

リーダー(仮)は黙れと言っているが人質のアイコから声を掛けられているんだし大丈夫だろう。

「私からは丁度時計が見えるんだけどね」
「うんうん。それで?」
「私の目が確かなら針は10時45分を指しています」

………なぬ…?



片道約15分。開始時刻11時丁度。強盗での足止め時間未定。

って…

「遅刻じゃまいか」
「は?」

アイコの助言があるまでイベントまでの道程を失念していたとは。不覚。

「因みに助けてくれたらお礼にかぐタン一人プレゼント」

………おう…。

だめ押しキタコレ。

「今助けますアイコ様」
「あらヤだ。様なんて




姫の間違えでしょう?」

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