オタクですがなにか?
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その言葉を合図に僕は走り出した。

道すがらに客と銀行員を見張る一人ずつに蹴りを鳩尾に一発ずつ。

背中がガラ空きなカバン係の首筋にも手刀を入れる。
金を詰め掛けていた重い音と共にカバンも床に落ちる。


「足踏め。アイコ姫」
「リョーカイっと」

ダン!と結構な重低音を響かせアイコはリーダー(仮)の足を言った通り踏みつける。

「う゛っ」

思った通り怯んだリーダー(仮)の手は弛み逃げる隙が。

パシッ。ジャキ。

「ハッ。」
「アナタの敗けです。大人しくお縄に付いてください」

アイコを後ろにかくまい ついでに奪ってみた拳銃を突き付けてみる。
だが不利な状況にも関わらずリーダー(仮)は口元にまだ笑みを称えている。

「ガキが。撃てるわけねぇよ」
バンッ!

「撃てますがなにか?」

僕を舐めていたらしきリーダー(仮)の顔から簡単に余裕が消えた。

「な…」
「アナタなんかの命よりかぐタンの方が大事なもので」

至近距離で床にめり込んだ弾に腰を抜かしたようだ。

カッコ悪。
撃つより撃たれる方が怖いに決まってる。

「じゃ。後は任せましたよ」


用済みの拳銃をカウンターに置き銀行員達に後を託す。

「行くぞアイコ姫…とついでにカケル」
「…俺はついでなんか」

カケルが肩を落としているが当たり前だろう。無償なんだから。


程無くして銀行に警報が鳴り響き警察への通報を知らせていた。
呆気にとられていた銀行員も我にかえり強盗を縛り上げる。

そんなことはどうでも良い。

「急がねば」

僕達はこれ以上の遅れを取るわけに行かないのだ。

二人を急かし駅へと急いだ。




おまけの電車内での会話



「相子…お前よくあんな行動取ったなぁ。銃 怖くなかったんか?」
「そりゃぁ拳銃は怖いけど…だってセーフティ掛かってたもの」
「…はぁ?」
「あの強盗は本物を持って来たのに脅しにしか使う気がなかったんだ」
「ロックされていたから あのままじゃ撃てなかったのよ」
「なんややけに詳しいな」
「私は以前同人誌を描く時に資料として調べたのよ」
「………へぇ。そないか。
しかし空羅は撃っとったやないか」
「僕だってちゃんとヒーローモノにはまった時代は有ったからね。
拳銃・バイク・巨大ロボの操作方法位は知識として供えているさ」
「つまりはロック外したんやな。
つか現代日本でまともに使える知識が一つしか無い気がするのは気のせいか…?」
「気のせいだ」
「そないか」

「…ん?なぁ携帯見たら今ちょうど45分になったんやけど」
「は?」
「…あら。おかしいわねぇ」
「………もしかして相子。空羅をけしかける為に態と間違えよったな」
「そうなのか?」
「何の事かしら?
まぁ良いじゃない。奢ってあげるのは変わらないんだから」
「うん。ならいい」
「俺はかなり心臓に悪かった」
「止まってないならセーフよ」
「何か冷たいな」
「翔君は良いのよ」
「以下同文」
「……ヒドイ。」


end

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