惑星移住計画

地球を飛び出し他の星にも人が住む、という計画をある国が打ち立てた。

実験的移住の一般公募を出すやいくら地球にいる専門家が心身の安全管理をする、とはいえ恐怖よりも好奇心の勝ったものは案外多かった様で直ぐに定員を超す応募が来た。

そしてその中から抽選で集められた彼らは何回かに分けてその星へ送り込まれることになった。



「これが最後のグループです」
「うむ。全員無事に降り立ったようだな」

白衣の二人の前にある画面には地球とあまり遜色ない都市とそこを興味深げに歩く人間が映し出される。

「まるでテーマパークに初めて来た子供だな」
「規模が違いますがね」

ははは、と笑いを溢し設置されたカメラと音声の確認も欠かさない。

「分かっていると思うが彼らの言動は細かにチェックするように」
「不審な者は速やかに隔離、ですね。心得ています」

それは未開の地をこれから生きる彼らの為ではない。

「気付かれないものですね、







私たちは壁を隔てたすぐ隣に居るのに」


end

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