女の子と小鳥

───鳥籠の中の小鳥は外に出たいと願っていました。









そんな小鳥を飼っているのは女の子。

小鳥の歌声が大好きで、小鳥自体が大好きで、暇さえ有ればずっと小鳥を眺めていました。

それこそ自分が小鳥になりたいと思うほどに。









毎日毎日小鳥を眺めていた女の子は、ある朝目を覚ますと違和感を覚えました。

いつものように鳥籠に近付くと見慣れた鉄の縞々。
でもいつもと何かが違う。
そう、鉄格子の向こうに小鳥が見えないのです。

しかしその代わりに見えた光景は見慣れたものでした。
そこで女の子は違和感の正体に気が付きました。

これは内側から見た光景なのだと。
自分は小鳥になったのだと。

小鳥になった女の子は初めこそ喜んだものの、直ぐに後悔しました。

たった一羽で鳥籠の中にいるのです。
友達にも会えず、飼い主の女の子がいなければ一人ぼっち。

羽根を広げる事は出来ても、はばたく事までは出来ません。
錠は見付けられても、開けることは出来ません。

外に出られず女の子が見にも来ない小鳥は、寂しくて悲しくなりました。

仕方無く止まり木に戻った小鳥は歌を歌いました。
女の子が好きだった小鳥の歌っていたあの歌を。

───鳥籠の中の小鳥は外に出たいと願っていました。









そんな小鳥を飼っているのは女の子。

小鳥の歌声が大好きで、小鳥自体が大好きで、暇さえ有ればずっと小鳥を眺めていました。

それこそ自分が小鳥になりたいと思うほどに。



end

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