近未来
「いやぁ、こんな世界が訪れる日が来るとか。本当に夢物語だよねぇ」
俺の横に座り同じくテレビを見ていた友人がコーヒー片手に最近人気の近未来SFドラマを笑う。
「案外近い未来の話かもよ?人とロボットが共存しているなんて」
「またまた」
テレビの中では車が空を飛び交う街中で人間と二足歩行ロボットが普通に挨拶を交わす。
流石に鉄の塊が空を飛んではいないが高いCG処理も今や当たり前。
人間が体を張らずとも楽にハードなアクションを取り込めるためにこの手のジャンルは次々に新作が出ては消えていく。
同じものを繰り返し見てもさして大差は無いと思うのは俺だけだろうか。
「あ、博士。休憩時間終わりみたいです。戻りますか」
「そうだね」
昼食タイムの終わりに気付いた友人が口調を仕事仕様に変えてあっさりテレビの電源を切り立ち上がる。
まったく助手としては真面目すぎて困ったものだよ。
俺としてはもう少し休憩時間の鯖を読みたいがしょうがない。
「じゃ、研究再開と行こうか。AP-38君」
end
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