××××end

SOSをもらった。

助けて。死んじゃうよ。って。

彼女はいっつも僕の気を惹きたがる。

前は海での入水自殺を図って 海岸デートに予定変更。
その前は車道への飛び込みと称した繁華街での映画鑑賞。
首吊りからのお泊まりなんかも有った。

毎回彼女の筋書き通り happyEND。


ならはじめから言ってくれれば良いのに。
死にかけた彼女を介抱するこっちの心配なんて判らないんだろうか。と思って聞いてみた。
何か嬉しそうな彼女曰く死ぬ気は有るらしいんだよね。

って。

それを聞いて僕は思ったんだ。
じゃあ助けない方が彼女にとってhappyENDなのかなって。

助けて"あげた"のは僕のエゴだったのかなって。


僕は彼女に生きていて欲しい。好きだから。でも だからこそ死にたいと言うなら止めはしないよ。
だって僕は彼女を生かしたところで最高の幸せをあげられるとは言い切れないから。
だったら彼女の意思を優先させてあげたいじゃん?

彼女の幸せが僕の幸せ。
deathENDでもbadENDじゃないから。






助けて。死んじゃうよ。ってまたSOS。

本当に死にたいのならば僕は見届けよう。
違うのなら生きている彼女に出来る限りの愛と幸せを。






ビルの屋上に立った彼女を僕はただ見守る。
彼女の選択を。

きっと死なれたら僕は哀しいし凄く後悔する。

でも彼女は…


ビュウ。と強い風が吹いて僕の視界から彼女は消えた。

下からは悲鳴と微かな写メの音。

彼女の×××××ENDを迎えた音。
僕の×××ENDを迎えた音。





死なれたら僕は哀しいし凄く後悔する。

でも彼女はもう後悔も出来ない。


××××END


end

[ 76/111 ]

[*prev] [next#]
戻る


top


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -