とある生徒会の紅葉狩り

長「会長だ」
副「副会長です」
計「会計だよぉ」
書「…書、記」
双「庶務でーす」(双子区別無)
長「何で学園の木に楓が一本もないんだ!」
計「そんなの知らないよぉ」
副「でも確かに、紅葉するものは多いので気にしていませんでしたが…」
双「手型の葉っぱ見たいー」
 「ザ・紅葉な葉っぱが欲しいー」
書「…故の…狩り、」
計「そうです!故に私達は今紅葉狩りをするべく、学園を飛び出して某山中にいるのです!」
長「誰に言ってんだ、誰に」
計「現場の庶務さーん」
双「「はいはーい!現場の庶務と愉快な仲間達でーす!」」
副「誰が愉快な仲間ですか」
書「役員、仲間…」
副「それは、そうですね」
長「おい、愉快に突っ込め。納得してんじゃねぇよ」
計「突っ込めだなんて会長ったらぁ。お外でのプレイがご所望?」
双「アオくー」
 「カシマしくー」
 「「きゃー☆」」
長「…何の話をしている?」
副「会長、聞かないで良いです」
書「ん」…………
……………………

長「案外綺麗なやつがねぇな」
副「色ムラに虫食い、一枚一枚で見てしまうと意外とそうですね」
書「見渡せば…一面の、赤い…絨毯…」
双「レッドカーペットー」
 「奴等の血で真っ赤に染め上げてやったぜ☆」
長「誰だよ」
計「生臭いのはしょうがなくても、血生臭いのは嫌だなぁ」
長「生臭いのも嫌だろ」
副「軽口叩く割りに一番綺麗な紅葉を集めているのが会計って辺り解せませんね」
計「イエスっ!オレは器用貧乏☆」
長「貧乏まで付けるなボンボンが」
書「いっぱい拾う、負けない…」
副「そうですね。集めた先からぶん撒いてしまう何処ぞのバカ双子の分まで集めないとですから」
双「「キャハハハハハッ!」」
長「マジで返り血浴びた小悪魔にしか見えねーよ」

…………
……………………

長「ところで何で紅葉狩りなんかしてるんだ俺等は」
副「単調な作業で遂に自問自答でも始めたんですか?」
書「…休、む?」
長「いや、そうじゃなくて。見たいとは聞いたがこんなに狩ってどうすんだよ」
計「そりゃあぶん撒くのさぁ!」
双「そうそう」
 「学園でね!」
長「は?」
副「学園祭やら体育祭やらの準備で外出もままならない生徒諸君に紅葉の雨で激励しよう!が今回のコンセプトだったじゃないですか」
書「屋上から、ばさぁ、」
計「会長聞いてなかったのぉ?」
副「と言うか今まで知らないでここまで紅葉狩りに付き合っていたんですか」
双「優しーねー」
 「流石だねー」
長「個人の収集レベルを越えてんじゃねぇか。んな量集めるなら人雇って集めさせろよ」
双「えー」
 「やだー」
計「俺等だって折角の外出チャンスなんだよぉ?そりゃあ自分等で行きます!って言うよぉ」
書「ん。外出、貴重…」
副「業者には撒いた後始末の方を頼む予定です。そんなに経費は割けません」
長「金持ち高の癖に案外シビアだな」

…………
……………………

計「それはそうと、会長が生徒へのサプライズ計画を知らなかったのは問題だねぇ」
副「ですね。つまりはただ遊びに来ていたつもりだったわけですから」
長「う…」
双「お仕置き?」
 「お仕置き?」
計「ここは!紅葉にちなんで紅葉マークを付けることで許してあげようじゃないかぁ!」
長「ペイントか」
計「違うねぇ」
副「会長。相手は会計ですよ?ノーマルな考えは捨てなさい」
双「つまりー?」
 「お仕置きと言えばー?」
書「…ぺん、ぺん」
長「…………………………。逃げる。」
副「あ、こら会長!往生際が悪いですよ!」
書「会計、右。副、左。オレ、後ろ、押さえ…」
双「よーぅし!ならば僕等の落とし穴へ誘い込めー!」
 「腰までは埋まるよぉー!」
長「なんてモン作ってんだっ!うぉっ!?」
計「あ、ハマった。」
副「アホですね。私達が何をするでもない内から…」
長「言ってないで早く助けろ!」
双「更に自分を狙う狼さんに自ら手を差し出してくるとは…」
 「会長、恐ろしい子…」
書「今、助ける…じゅるり。」
計「あーっオレもオレもっ!」
副「抜け駆けなんてさせませんよ」
長「あ、しくった気がする。」


end

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