ウソだよ。

「おっはよー会長ー☆」

テンション高く生徒会室に堂々と遅刻してきたのは例にもよって会計だった。

「またお前か」

毎回何度注意しても遅れてやってくる会計に苛立ち混じりに言う会長。

「面倒臭いなら俺なんて放っとけば良いじゃん」
「そう言うわけにはいかないだろうが」
「構わなくて良いのにぃ」

何時もながらの会話を済まし これまたお決まりの口論染みた会話は続いた。


「…で?今回は誰と寝たんだ?いっそそいつに起こしてもらえよ」
「え?やだな会長、俺ってば童貞処女よ。そんな寝るだなんて、」
「嘘つけ遊び人。もっとマシな言い分けはないのか」
「うんウソウソ。だって今日は4月1日だもん」
「…あぁ。成る程…じゃねぇ。付き合わされるこっちの身にもなれバ会計」
「しょうがないじゃん俺ってば今日という日に託(かこ)つけてウソつきなんだもんねー☆」
「開き直るな!」

いつもに増して会話が続く。と言うか会長弄りが続く。

「やーん会長大好きー。愛してるー。俺はずっと会長一筋なのー」
「はぁっ!?」
「ウソだよぉ」
「だろうなっ」
「って言うのがウソー」
「それもウソか。」
「分かってんじゃーん」

仕事を始めても会話が途切れる事はなく。
慣れた両立で二人の前の書類は着実に減っていった。

「ねぇ会長」
「あ?」
「俺はスッゴい素直で本当の事しか言いません」
「は?」
「だから会長が好きなの。本気だよ?遊んだこともない超一途っ子」
「それは、」
「ウソだよ」
「………どっちだよ。面倒臭いな」
「でしょ?」

「…うーん、俺にも根絡がってきたぁ」
「それはホントだな」
「えー。そんなわけないじゃーん」
「嘘だな」
「うー」

唸った会計はペンを置き誰ともなく挙手し「決めました!」と宣言を掲げた。

「明日から俺は嘘しかつきません!」

「は?」
「明日から言うのもゼーンブが嘘だよ。今日言ったことが何処まで嘘か知りたいなら明日聞いて。教えてあげないから」
「はぁ!?」

訳の分からない事を言う会計に会長はすっとんきょうな声を挙げたものの 今の言葉を頭の中で反芻しやがて納得したように静かに口を開いた。

「………で、今言ったことは本当なんだな?明日になれば全部分かるんだな」

会計は苦笑しながら首を横に振った。

「だから、分からないんだってば。

大っ嫌いだよ」


end

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