とある生徒会の桃の節句

「三月だー」
「お雛様だー」
「「衣装に着替えるよー」」
「またか双子」
「イベント事が有ると君らは生き生きするねぇ」
「ん、」
「で?今回は誰が何をやるんですか?」
「ふふふー」
「それはねー」

「「五人囃子でーす!」」

「いやいや、地味なところ来たな」
「……全、員?」
「一人多いですよ」
「真面目め。六人囃子でも良いじゃないか」
「そうは行きません」
「ちょいちょいそこのお二人さん」
「冗談だからね」
「そうだよぉ。この二人がそんな地味なところに落ち着くわけ無いよぉ」
「………確か、に」


「…てなわけで」
「着替えてもらったけどどうかな?」
「「着付けの協力は会計でーす」」
「イェーイ」
「以外ですね…こんなこと出来るとは」
「呉服屋の倅を舐めちゃぁいけませんぜ」
「マジか」
「マジだお」
「以外だチャラ男」
「お褒めに預かり光栄だよぉ」
「…俺は今褒めたのか?」
「そうらしいですね」
「さてさて役割について一応確認なり」
「見た目で分かりそうだけどね」

「まず書記!」
「五人囃子!」
「あれお内裏様じゃなかったのか」
「会長も思いました?」
「あぁ」

「次は会計!」
「もういっちょ五人囃子!」
「何故限られた人数で役割を被せた!?」
「いやぁ。俺は動きやすさ重視にしたんだぁ」
「…恐るべし会計。着付け係の特権をフルに生かしたな」
「選ぶのは自分ですものね」
「………仲、間」
「あ。書記がなついた」
「因みに楽器は違いますぜ☆はいコレぇ」
「ん」
「フエね。俺タイコ」
「用意していたのか」
「もちのろん」

「んでもって僕らは右大臣!」
「左大臣!」
「なんか偉そうだ」
「音だけですよ。あんなオレンジに威厳も何も有りません」
「ピーーー。」
「特注なり」
「ちゃんと日本色で選んだよ」
「ピーーー。」
「ご利用ありがとう御座いましたぁ」
「やっぱり服の出所はお前か会計」
「えへ☆」
「ピーーー。」
「そのフエ五月蝿いですね」
「気に入ったみたいだねぇ」
「ピーーー。」
「じゃあしょうがないです」
「お前書記に甘いぞ」

「さてさて副会長!」
「三人官女!」
「似合うねぇ」
「………キレ、ィ」
「有難う御座います」
「嬉しいのか」
「黙秘します」
「楽しいのか」
「えぇまぁ結構」
「…………そうか」

「最後に会長!」
「お雛様!」
「さすがトップだねぇ」
「……いや分かってたけどな。この格好」
「頑張っても派手なお内裏様には見えませんよね」
「つぅかお内裏様何処行ったよ」
「「風紀呼ぶ?」」
「却下。」
「衣装没収されますよ」
「会長の隣はまだ空いてまーす」
「誰か一人は選べなかったのん」
「数足りないし」
「五人囃子に要員使うからだ」
「「えへ☆」」
「にしても何故俺がお雛様…?」
「え?おかしい?」
「満場一致だよ?」
「大人しく着せられてたくせに」
「会計が真面目顔で着付けるから…抵抗出来ねぇだろうが」
「優しいねー」
「優しいよー」
「そうやって自分の首を絞めるんですよね」
「ん」
「う"…」

「さて。俺はそろそろ、」
「またネコの所か」
「んー間違っては無いけど」
「?」
「折角の十二単は脱がしてこそだよね」
「は?」
「…会長、逃げれない」
「これもまた」
「満場一致なわけで」
「私達今なら百合ですね」
「え?ちょ、副会長まで何を…」

「ここからはお内裏様の座争奪戦と行きますかぁ」


end

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