とある生徒会のクリスマス準備

長「会長だ」
副「副会長です」
計「会計だよぉ」
書「…書、記」
双「庶務でーす」(双子区別無)
双「冬だ!」
 「12月だ!」
 「「正月準備だー!」」
長「そこはクリスマスだろ」
計「おやぁ?まさか会長がそんなにクリスマスを楽しみにしてるなんて意外だねぇ」
長「違和感を指摘しただけだ。別に俺の趣味を尊重したわけではない」
副「まぁまぁ、そんなこと言わずに。楽しみじゃないわけではないのでしょう?」
長「仕事の残骸とこいつらの所業を鑑みた結果、楽しみより不安が勝るがな」
書「ダイジョブ、会長…いる、」
長「それは俺が奴等の放置した仕事を片付けると言う意味か?」
書「違、」
計「会長がいれば仕事の事も忘れて楽しめるってことだよぉ」
書「…え」
長「おい」
副「莫迦なこと言ってないで、仕事なさい。さもないと会長フルコースのクリスマスからお正月、全て私と書記だけで頂きますよ」
長「なんだそのフルコース。まだ参加するとも言ってないが?」
書「…出な、い?」
長「…。出ないとも言ってないだろうが」
双「相変わらず会長は書記に弱いねー」
 「ねー」
計「でもおかげでクリスマスから会長確保だよぉ」
双「「やったー!」」
 「準備しよー!」
 「生徒会室飾りつけだー!」
副「あなた方は待機です」
書「仕事、残る…メッ」
長「お前らに任せると書類も飾りの一部になりそうだからな。喜べ、この俺が直々にクリスマス飾りを施してやろう」
副「それでは仕事の邪魔になるといけないので私たちは街まで買い出しにいきましょうか」
長「そうだな。たまには自らの足で選びに行くのも悪くないだろう」
書「いつも、取り寄せ…」
双「外出…だと…?」
 「申請出さなきゃ出られないレアイベントじゃん」
 「ズルーイ」
 「ていうか申請通るまで日にち有るよね」
長「何を言ってる?外出するのはこの俺だぞ?今日、今から行くに決まっているだろう?」
副「会長、外出届けの記入は終わりました」
書「ん」
長「よし、じゃあ溜め込んだ仕事、戻るまでに済めばご褒美やるから精々励めよ?」
双「な…に…?」
 「よっしゃー!やったるぞー!」
副「全くこのバ会長。そんな迂闊なこと言って。後悔しますよ」
書「ん」
長「…。」

〜街〜

副「大分買えましたね」
書「ん。重く、ない?持つ?」
副「有難う御座います。でも大丈夫ですよ、これでも鍛えてますから」
長「意外だな。箸より重いものなど持たなそうなのに」
副「襲い襲われの学園ですからね。会長こそ、判子より重いものは人に任せれば良いでしょうに」
長「学園外だからな。俺だけ手ぶらと言うのも心象悪いと思っただけだ」
書「やさし、」
長「話聞いてたか?」
副「聞いていましたよ。そう言うことにしておいてあげます」
長「おい」

書「会長?」
副「どうかしましたか?」
長「いや、この雪だるまの人形が庶務どもに似ていると思ってな。こっちのクルミ割り人形なんかは会計に…」
副「寂しいなら皆揃ってから来たら良かったでしょうに」
書「妬け、る」
長「べ、別にそんなんじゃねぇよ。まぁなんだ、褒美っつったからには土産くらい買っていこうと思ってな」
副「成程。会長直々のプレゼントですか」
長「羨ましいか?」
書「ん」
長「安心しろ。お前らの分も考えてある。そっちのくったりしたヌイグルミのトナカイと雪の精を象ったとか言う置物」
書「かわい、」
副「…その精霊、女性では?まぁ、有り難いですけど」
計「じゃぁ会長はそのサンタさんだねぇ」
書「あ、会計…」
副「貴方抜け出してきたんですか?」
計「フフフ、ちゃんと仕事は終わらせてきたよぉ」
副「どおりで、途中から静かになったわけです」
長「初めからその本気を出してもらいたいものだがな。にしてもよく俺らを見付けられたな」
計「そりゃ会長にGPS付け…じゃない、愛の力だねぇ」
副「そんなことより、届け出は出したんですか?」
長「おい、そんなことじゃないぞ、今聞き捨てならない単語が出たが?」
計「そうそう!それがダメ元で行ったら会長から提出されてたんだって!愛のなせる技だねぇ」
長「おい………て、別に会計が仕事始めたの見てたからな。間に合ったら使えば良いと思っただけだ」
書「やさし、」
計「庶務ズの分もあったねぇ。二人はその事実を知らないなりにお仕事してるよぉ」
副「教えてあげなさいよ」
長「まぁいい、折角来たんだ、少し見ていくか?」
書「双子、待つ?」
計「オレを時間稼ぎみたいに言わないでよぉ」
長「折角の外出届けを無駄にしたくないだけだ」
副「そう言うことにしておいてあげます」
長「お前なぁ」
計「じゃ、お人形さんたち買ったら行こうかぁ」

副(双子の様子はどうですか?)
計(オレが帰ってこないから不審に思ってたみたい)
書(メール、オケ、急ぐ…て)
副(それで間に合うんですか?)
計(なんと外泊許可が出ましたぁ。こんな時季までお仕事で缶詰は可哀想だからコッソリねって)
書(ヤタ)
副(ではホテルの予約を取りますね。会長にはサプライズを)

計「会長、こっち行こぉ」
長「あ?そっちはホテル街だろ?」
書「ピンク…の、ネオン、白い、ネオン…どっち、好き?」
長「え、ちょ?」
副「予約はできましたよ」
長「なんの?どっちの!?………おいっ!」


end

[ 72/129 ]

[*prev] [next#]
戻る


top


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -