とある生徒会のエープリルフール

長「会長だ」
副「副会長です」
計「会計だよぉ」
書「…書、記」
双「庶務でーす」(双子区別無)
副「会長っ大変です…!」
長「朝から騒々しいな。しかしお前がそんなに慌てるとは…何があったんだ?」
副「実は私達生徒会は………全員留年だそうです」
長「っ何!?それは事実か!?生徒会役員が揃って留年とか洒落にならんぞ!?」
副「嘘です。」
長「そんなまさかっ……て、ん?嘘?」
副「私達が留年する筈が無いじゃないですか。もし留年だとしても新学期頭に知るとか無いでしょう」
長「……それもそう、だな。俺としたことが」
副「判断力に欠けているようですから少し休まれては?」
長「お前が珍しく取り乱していたんでつい早計な判断をして仕舞ったようだが、休息は必要ない」
副「全く。しっかりしてくださいよ、進級と無縁の私達に留年も在るわけ無いじゃないですか」
長「……何を言い出すんだ、寧ろお前が休め」
副「結構です」

計「会長ぉ!」
長「会計か。どうした?」
計「俺、今日期限の書類一山分が仕上がってないっ!」
長「はぁ!?昨日は珍しく仕事してたじゃねぇか、何でそんなに残ってんだよ」
計「間違えてまだ猶予がある書類やってた」
長「マジかよ」
計「嘘だよ」
長「嘘かよ!」
計「安心した?」
長「あの量となると明日まで待たせて全員で手分けしても徹夜になりかねないからな」
計「えへへ〜」

双「「会長ー!」」
長「今度は庶務か。どうした?」
双「今日の為に仕立てた衣装が届かないんだよ!」
 「折角皆のスリーサイズに合わせて特注したドレス!」
長「何故ドレス!?」
双「そりゃー、BL的エープリルフールの定石として"今日から私達、GLやります!"宣言するためだよー」
長「どんな定石だっ!?」
双「「世界の標準だ!」」
長「嘘だ!つかもう女装ネタはいいだろ!?」
副「私達迄巻き込む気ですか」
計「ドレス無くて良かったねぇ」
双「「まぁ嘘だけど」」
長「またかよ!」
双「エープリルフールだもんねー」
長「ああ。だから嘘吐く奴が多いのか」
計「今気付いたの…?」
双「でも確かに会長の女装とか捻り無いし止めたげるー」
長「人を女装常習者みたいに言うな」

書「会、長…!」
長「あぁ書記か。慌てようは名演だがエープリルフールに付き合うのは終いだ。悪いな」
書「演技、違…。いんちょ…激おこ…もすぐ、来るて、」
長「は?」
副「訳しますと、風紀委員長が怒ってうちに来るようですね。」
長「それは分かる。だが何で?」
副「さぁ?」
書「オレ、も…理由、知らな…」
双「エープリルフール?」
書「オレ、嘘ない…!」
双「じゃあ委員長ーがエープリルフール?」
長「そんなことするタマか?」
副「そうは思えませんが…」
計「……会長」
長「ん?どうした?」
計「実は俺…終わってない書類が山のように在るんだよね」
長「その嘘はさっき聞いた」
計「嘘なんだよね」
長「だから聞いた」
計「終わった、て方が」
長「……………は?」
計「だから、書類仕上がってないってのは嘘、ってのが嘘。実は本気で終わってなかったり」
長「それは…」
計「残念ながらエープリルフールでは覆らないよぉ、ほら」
副「…真っ白ですね」
双「何枚捲っても真っ白ー」
 「真っ白ー」
書「……これ、三日前期限…」
計「あははー、そんな前のが混ざってたのは気付かなかったなぁ」
長「………会計…?」
計「本っ当ごめんなさいっ!何でもするから手伝ってください!」
皆「………」
副「まぁさっさとやらないと他の方に迷惑掛かりますからね」
双「巡り巡って僕らの仕事に支障出るしねー」
 「最終的な決定印はうちの管轄だもんねー」
書「早く…書類、貸す…」
計「ありがとー、持つべき者は友だねー。もう皆が天使に見えるよー」
長「じゃ、委員長の説得はお前な」
計「え゛」
副「何でもするんですよね?」
双「怒った委員長ーは怖いねー」
 「一週間はトラウマだよねー」
書「鬼の、形相…だった」
計「え、皆?それ嘘だよね…?」
長「そう思うか?…逝ってこい。」
計「もう皆が悪魔に見えるよ!」



end

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