イイ夫婦

「ただいまー」
「お帰りぃ」

「………」
「………」
「……………」
「………なんだよ。その無言の訴えは」

「続きは?」
「は?」
「だからセリフの続き!有るだろこう…"お風呂にする?ご飯にする?"ってヤツ」
「はぁ!?何で俺がそんなことっ」
「それが新妻の役目でしょうが!」
「まず新妻になった覚えがねぇわっ!」
「ほら早く言って」
「………」
「ほらぁ」
「……………チッ。
風呂にする?飯にする?」

「…………」
「…………」
「…………………」
「…………なんだよ」

「もう一声有るでしょ」
「はぁ?…………っまさか…」
「そうそう。言って言って」
「……………ヤダ。」
「ケチ。言わないとココで襲うゾ☆」
「っ怖ぇよ。目が据わってンですけど」
「本気だもん」
「もんとか言うなよ気色悪ぃ」

「で?どうするの。言わないと玄関先でいただいちゃうよ」
「………」
「近所の人にお前の可愛い声を聞かせちゃうよ」
「………黙秘権。」
「別に良いけどさ。黙っていられるの?ねー」
「うアッ…ちょ。何触ってンだよ!」
「えー。何ってナニっしょ」
「ばっ…ヤメッ」
「うーん………じゃあ言って」
「判った!言うっ。言うからヤメろっ」
「はーい」

「…………」
「…………」
「…風呂にする?飯にする?それとも…」
「それとも?」
「…………おっ」
「…」
「…俺にするっ!?」

「っ!?勿論お前にするーっ!」
「うわっ!?ちょ…」
「んー?」
「何してんだよっ」
「え?お姫様だっこ。」
「それは判るよ。何ですんだよっ!」
「そりぁあ早速寝室へ…」
「だから何でそうなんだよ」
「だって今お前にするって言ったじゃんかぁ」
「はぁ!?アレって言うだけじゃなかったのかよ!」
「お前こそ何言ってんの。そんなわけないじゃんか」
「………マジか」
「マジさ」

「…………」
「じゃあ行こっか」
「………」
「?どうしたの?」
「…ょな」
「うん?」
「〜〜〜っ。だからっ!優しくしろよなっ!」
「了解ですとも。マイハニー」

「………っ。恥ずかしいヤツ…」


end

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