あけましたからおめでとう
「「明けましておめでとう御座います」」
新年2015年、今年は未年。
俺は去年の干支、午です。
この未年のために干支になってくれる羊を捜していた時に、俺が話し掛けようと駆け寄っても逃げない唯一の羊が"彼"だった。
なんやかんやで彼に来年の干支になってもらうのを承諾して貰って、気が付けば彼が寝ていたコタツに一緒に引きずり込まれて俺まで寝てた。
そいつ、ずっと寝てるヤツだった。
起きたのが今日。
知らない内に年が明けてて、新年のご挨拶が今なのだ。
「おはよ」
「お、おはよ…………っ」
寝起きの挨拶が終わった自然な流れでチューされた。
「なっ、」
「え?あぁ。未年になりました」
「あ、うん」
「羊改めて未です」
「あ、そっか」
そこまで聞いてやっと干支的な力の引き継ぎのためのやつかぁ。と気付けた。
巳に干支の引き継ぎの時はチューするんだよ。と握手した時に教えてもらった。
ん?巳からはチューされた記憶がない…ま、いっか。
「てことは午改めて馬に戻りました」
「うん。今年からも宜しくね」
「うん。………ん?」
無事干支の引き渡しが終わって帰ろうと思ったんだけど、なんか雲行きが怪しい。
未が俺のことぐるん、きゅ。って。
つまり今起きたはずがまた抱き枕にされてる…?
「あの、俺の役目終わったし、帰、」
「外雪降ってるし今日は家に泊まりな」
「そなの?じゃあ泊まる」
「ちょろい。」
「え?」
「ううん。なんでもない」
そんなこんなで帰るタイミングを逃した俺が羊と住むのが当たり前になるのはすぐ未来。
end
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