明けましておめでとう
〜♪
メール受信しました
〈明けましておめでとう(^-^)〉
〈あけおめ〜〉
〈明けたな 2014も宜しくな〉
〈今年は彼女作るから〉
「…」
12時を越えて新年を迎えた辺りからずらりと入った暇な友人からの新年の挨拶や謎の宣言。
「…」
カチカチとケータイを弄り端から返信を打ちながら目的の名前を探す。
「…?」
いつもなら一着目指してメールを寄越すから二、三番目には名前が有る筈だが 今回はどうも見つからない。
一通りあけおめラッシュを終えて見直してもあいつの名前が無い。
"来年は絶対に一番にあけおめって言ってやる!"
未だ一着を取っていないアイツはそう捨て台詞を残して里帰りに臨んだのに。
毎年冬休みは家族揃って里帰りするソイツ。
会えないのは幼馴染みの頃からで ひょんな事から恋人に格上げされた今年もそれは変わらない。
「むしろメールが来なくなるって…」
───コンコン
ガックリ肩を落としてそれでも混線だとか考えてメールを待っていると不意に扉を叩く音。
「はーい」
───コンコン
「はいはーい」
───コンコン
「はーい゛っ!」
くどいノック音に軽く苛立ちながら相手の確認もせず扉を開ければ
アイツが居た。
「明けましておめでとう!」
「はっ!?えっ?」
驚く俺にどっきり成功みたいな笑顔で抱き着いてくるから放心している俺は受け止めきれず固い床にソイツ諸とも倒れ込んだ。
大型犬の様だ。
痛い。
─────じゃなくて、
「なんでいるのっ!?」
「えへへ」
覆い被さったまま降りる様子も無い。
「言ったじゃん
一番に"言う"って」
「…………そうだね」
メールでって意味だと思っていただけに我に帰って見れば嬉しさが込み上げてくる。
「う゛〜〜〜っ寒。中入れて」
「あ、悪い悪い」
俺で煖を取るソイツを離すどころかより引き寄せながら炬燵へ向かう。
「なぁ」
「ん?」
「お前からは無いのか?」
俺は言ったぞ。と言われ思い当たる、からには勿論俺からも。
「明けましておめでとう御座います、2014年も宜しく」
「おぅ!今年はもーっとヨロシクな!!」
end
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