まるくなる

「何やってんの?」
「トランプタワー」
「こんな寒い中やんなくて良くない?」
「こたつ入ってんじゃん」
「手は?」
「出てる。当たり前だろ」
「じゃあ冷えてんだろ」
「当たり前じゃん」
「バカだろお前」
「バカでもトランプタワーは作れんだよ」
「バカには作れてもかじかんだ手には荷が重いだろ」
「いける」
「何その自信まだ一組も立てれれないくせに」
「あーもーウルサイなぁ!お前と話してるから気が散るんだって!」
「俺のせいにするなし!」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…なんか喋れよ」
「気が散るんだろ?」
「寝てるかと思ったら気が気じゃないだけだし!寝返りが怖いだけだし!」
「ガン!て?こんな風にこたつ揺らすのが?」
「あ゛ーーー!今立そうだった!立ちそうだったのに!」
「そう?別に立ってないみたいだけど」
「ぎゃ!?バカ!アホ!いきなりそんなトコ触んなバカ」
「ゆっくりならイイんだ?」
「そーゆー意味じゃない!エロ親父かお前!」
「親父ではない」
「マジレスとか良いから…!手をどけろ!」
「手は嫌かー。んじゃ」
「?…っ足もやめい!」
「うん、これ俺の体勢もキツイわ」
「そもそもこたつじゃ狭いんだよ!」
「なに?ベッドでしたいって?」
「やるなって話!」
「…え?したくないの?」
「いや…別にそうは言ってないけどさ…」
「んじゃ行くべ」
「…うん」


……………………


「やった、一段目できた!」
「おおー普通に凄いじゃん…て、どんだけ積み上げる気?」
「52枚分……あーーーーっ!」
「やったな」
「お前が話しかけてくるからだぞ!」
「いやいや。単に二段目で難易度が上がってるだけだよ」
「…接着しとくんだった」
「不正かよ」
「ほらおいで。なぐさめちゃる」
「またその流れかよ。乗らないぞ」
「飯食おうって話」
「…まあ、確かに?腹が減っては何とやらだし?」
「そーそー。恋人んちにいきなり来たと思ったらトランプ貸せだの構うなだの言って来るお前の分までちゃーんと用意してやったよ」
「だってテレビで観ててやってみたくなったんだもーん。うちにトランプ無かったし」
「はいはい」
「悪かったって。ほら、飯食お」
「んじゃそこ片しといて。持ってくるから」


……………………


「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした」
「あー腹いっぱーい」
「腹ごなしにちょっくら運動でもするか」
「おまっ、そーやってすぐそっちに話を持っていく」
「は?俺は散歩でもするかって話をしたんだけど?」
「…」
「食欲満たされてもそんなこと考えちゃうんだー。やーらしー」
「うぅ…」
「別にいいぜ?あっち行く?」
「寒いから出たくない。」
「んじゃここでする?」
「…」
「嫌じゃないんだ」
「…まぁ」
「そかそか。じゃー皿片すから準備の一つもしといてよ。手をこたつに突っ込んで弄るなら温かいっしょ」
「ん」
「のぼせるなよー」
「ん」
「…こりゃ、こいつ戻ってきた頃には寝てるな」


end

「てホントに寝てる…!俺も入るからなー。冷えてるからって起きるなよー」
「むにゃむにゃ…」
「…むしろすり寄られた。猫かよ可愛いなこの野郎。」

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