また来るからな
2011/07/23



幽遊白書





あれから何十年過ぎただろうか。人間である仲間は時に逆らえずに老い、墓に入った。桑原も蛍子もみんな。

「あんたはあんたらしくいなさいよ」
「一足先にいってらあ」

皺くちゃな顔してオレにそう言った。その二人の顔は何年経とうが色褪せることがない。ニ、三年は忘れたいと思ってはいたけど、今ではそういうこともなくなった。
ただ今でもオレはオレのままで、飛影や躯に聞いても声を揃えてお前は変わらん。と言われたのは最近だ。蛍子の遺言通りオレはオレらしくいれているらしい。

「やっと見つけた」

少し離れたところから声がして、見てみればオレとおなじく人間の軸から外れた奴。オレもこいつも老いることなくばーさんが死んだくらいの昔の姿のままだ。

「よー」
「珍しいですね。人間界にいるなんて」

堤防の草地に座るオレの隣まで来ても相も変わらず蔵馬は笑ってる。

「昔を思い出してな」
「そういえばそろそろ桑原君の命日が近いですからね」
「あー、確かに」

親しかった奴らが皆逝っちまってからオレは魔界に移り住んだ。飛影はその頃には既に魔界にいたし、蔵馬とてオレが行く少し前には魔界に行った。

「命日か…参ってやるかあ」
「最近行ってませんし」
「だなー」

煙草を取り出して火をつけた。ふー、と濁った白の紫煙が暗い夜空へと上がる。ぼんやりと見上げていれば、はたと思いあたった。

「蔵馬、なんでオメーここにいんの?」
「そうそう。煙鬼が呼んでますよ」
「オレ?」
「もちろん。幽助を」
「なんだあ?」
「さあ?オレは何も」

ふうんと返してまた口に煙草を運んだ。予想としてはオレが発端で、更には続く次期大会のことだろう。魔界の一大イベントだしな。

「しゃーね。戻っかあ」
「ああ」

携帯灰皿に煙草を押し付けてオレは立ち上がった。行きますよ、とでも言うかのように蔵馬も踵を返してオレも後に続く。誰に言うでもなく、また来るからな。と呟いてオレ達は闇に消えた。









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時間軸は原作終わって
百年くらいかなあ。

大好きなくせに
幽白はあんまり書けない…!
飛影出すかで迷った。



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