小さなお店
2011/07/06




常連客の多い店、ナッツ。夕方からの営業は時折目新しい客もいるが大半は常連。しかも常連は奇人変人ではあるが美形と呼ばれる部類の人間が大半である。
そんな奇人変人の一人が遅めの昼飯時にやってきた。綱吉の住む街の秩序の如く振る舞っていた人物だ。

「お久しぶりですね」
「久しぶり。僕も色々と忙しくてね」
「知ってますよ。風紀財閥はここいらじゃ有名ですし。もちろん雲雀さんも」

雲雀さんと綱吉が呼ぶのは雲雀恭弥という、綱吉の中学からの先輩だ。群れることをことごとく嫌い、並盛の秩序という傍若無人に近い人物だった。当時属していた風紀委員や学生からは恐怖政治と恐れられていたものだ。今ではだいぶ丸くはなったが名残はある。
そんな雲雀が軽食にと選んだサンドイッチを綱吉は作りながらカウンターに座る雲雀と話す。恐怖の対象である彼も綱吉には慣れたものでなんてことない。ちなみに奈々は他の客の食事を作っている。

「まあ少しは大きくなったしね、ウチも」
「いやまず雲雀さんがしてるってので有名なんですよ。それに少しどころじゃないです」
「そう?ま、大きいパトロンがついてくれたりとかもしてさ、割と順調なんだよ」
「へぇ!良かったじゃないですか!」

にこにこと話す綱吉と薄いが笑みを浮かべて話す雲雀を見れば、同級生はまずあんぐりと口を開けて目を丸くするだろう。一部を除いて、だが。
そうこう話す間に作り終わり雲雀にどうぞとサンドイッチを差し出す。もちろん珈琲もついている。

「仕事探したくなったら言いなよ。ウチで雇ったげるから」
「いやあ、有り難いですけどオレはここで今は十分っす」
「その方が似合ってる」
「でしょ?」
「ツッ君これ持って行ってー」
「ん、わかった」

はいと母に渡されたお盆を持って綱吉はオープンキッチン(厨房とは呼びづらい)を出る。そういう姿を見る度に、昔の君なら落としてそうだ。と雲雀は内心思うのだ。

「雲雀さん、ごゆっくり」

器用に首だけ振り向いてそう言うものだから、くすりと雲雀は笑った。

「そうさせてもらうよ」









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雲雀恭弥 26歳
遠目から見てる分だけなら大変目の保養になるが、昔恐怖政治を組み敷いていた人物だけに、それを知る人はあまり近寄ろうとはしない。今もその名残はあり、並盛の裏社会の人間のツテは健在。あまりにも大量の群れはやっぱり咬み殺したくなるらしい。でも丸くはなった。
並盛拠点の風紀財閥の代表取締役。部下はやっぱり風紀委員。草壁さんは秘書みたいな。
綱吉は割とお気に入り。ここの綱吉は草食動物じゃないんで← 綱吉もくだけた敬語調ではあるが結構普通に話す。綱吉の中学、高校の先輩でもちろん山本とも知り合い。出て来てませんが了平とは同級生(原作の好きな学年の設定はないです)
まだ大学生をしていた頃にナッツは出来たので、それ以来現れる。昼だったり夜だったりマチマチ。



風紀財閥ってなんの財閥…?
匣以外はなにしてんですかね?

そろそろハル出したい



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