小さなお店
2011/06/27




本日もまた昼の営業終了間近。やはりリボーンはやってきた。今日は同僚だろう人物を連れて。

「いらっしゃいませ」
「いらっしゃい。おや珍しい」
「ちゃお」
「よう」
「カウンターでしょ?どうぞ」

綱吉に案内されたカウンターに二人はすわる。真っ黒のリボーンと金髪青目の青年は日替わり定食をそこで奈々に注文した。綱吉はそれを書き留めてご飯をついでいく。

「珍しいってなんだ?俺が同僚を連れてきたことか?」
「は?俺だコラ」
「いや両方。コロネロとリボーンが同僚だったなんてなあ」
「コロネロ君は久しぶりよね」

そうだな。と頷くコロネロ。二人ともが知らなかったのだが、実は二人はこの店を訪れていた。コロネロはここ並盛の支部でなく、基本的には海外の支部につとめているので出張に来た時くらいなのだが。

「お前が来てたとはな」
「そりゃ俺の台詞だコラ」
「私達もびっくりよね、ツッ君」
「そうだよね。もしかしたら他の同僚さんも来てたりして」

笑いながら言うが、二人にはもしかしたらと頭によぎる。ちなみに喋りながらもてきぱきと奈々と綱吉は用意をしている。

「ま、まあないだろ」
「そうだな。見つけにくいしなコラ」
「ないと思うけどなあ。あ、はいこれ」
「ありがとう。さあ出来たわよ」

綱吉から受け取ったみそ汁をお盆に乗せ、どうぞと奈々は二人の前においた。受け取れば二人揃って手を合わせた。

「いただきます」
「いただきますだコラ」
「オレ、プレートかけてくるね」

それだけ言って綱吉は外に出て行った。

「リボーン君とコロネロ君は同い年?」
「そうだぞ」
「中学からの腐れ縁だコラ」
「そうなの!それで仲良しなのね」

仲良しなのかは二人にとって疑問ではあるが、確かに昔はよくつるんでいたと思う。リボーンにとってもコロネロにとっても、一部を除いた同期生は心地良いものでなかったからだろう。

「そういやツナ、なんかあったのか?」
「え?」
「ツナ普通だったろ」
「オレがなーに?」

喋っていれば綱吉が戻ってきた。そのまま彼はリボーンの隣に座る。なんとなくそれはいつもの定位置になっていた。

「お前なんかあったのか?」
「なんか?」
「様子が違う」

どこが、と聞かれれば答えることはできないがどことなくいつもと違うのだ。コロネロよりよく会うリボーンだから気付いたことだろう。

「あー…まあ」
「リボーン君に嘘はつけないわね」
「今朝だしさ。親戚、ってか従兄弟みたいなのが来たんだよ」
「従兄弟?」
「なんか関係あんのかコラ」
「ちょっとあってね。嫌いじゃないよ。たまあに喧嘩するけど嫌いじゃないの」
「ほう」
「お前がなー…」
「んだよ」
「いいや」
「なんでもないぜ」

中身を聞いたわけではなく、はぐらかされたような気がしてリボーンは少し腑に落ちない顔をする。しかしそれ以上追及することはなかった。
綱吉の言う親戚は滅多に顔を見せることはない。嫌いじゃない、と言った通り仲は悪くないのだ。ちょっぴり色々と綱吉にとって面倒臭いことを言われるだけで。

「あーあ、ガキに気づかれるようじゃオレもまだまだだ」
「誰がガキだ」
「生意気なガキだお前らは」
「俺もかコラ!」
「そうだよ。ぴちぴちめ」
「お前それは」
「嫉妬だコラ」
「私の前でそれを言うの?」
「「「すいませんでした」」」

にっこりと笑う奈々に三人が各々頭を下げた。










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コロネロ 21歳
金髪青目の美丈夫。リボーンとは違うタイプのイケメンである。リボーンとは違い高校卒業後そのまま今の会社に入る。
本社ではないが海外支部の為、出張の時くらいにしかナッツには来ない。否、来れない。しかし並盛に来れば必ず立ち寄る。
当たり障りなく人と付き合うことが出来なくもないが、深くはあまり関わろうとしない。そしてそれを悟らせない。しかし沢田母子とは仲良し。
頭の出来は普通より少し上程度だが、運動能力、運動神経はリボーンを勝る。やっぱりモテる。リボーンとは中学時代からの腐れ縁で、昔はよくつるんでいた。二人でいればあまり人が近寄って来なかったのも都合がよかったりもしていた。



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