小さなお店
2011/06/18




土産だと置かれたそれはえらく派手な色をしたパッケージだった。トロピカル、というかリゾート地をイメージさせるようなものだ。

「どこ行ってたの?」
「バリ島だぞ」

へぇとリボーンが座るカウンターにエスプレッソの入ったカップを綱吉は置いた。

「バリ島ってぇ、と?」
「日本人のイメージとしてはリゾート地よね。リボーン君は海とか入れたの?」
「いや、遠目から見てだけだな。遊んでる暇すら与えねぇとは鬼畜だ、本当」

やれやれといったようにリボーンは頬杖をついてひらひらともう片方の手を降った。もう昼の営業は終わる頃で客もリボーン以外いない。基本的にリボーンが来るのはそんな時間なのだが。そんな店内だからか、綱吉はリボーンの隣に座った。

「大変だなあ、お前も」
「企業もつれーよ。お前はお気楽そうでいいもんだな」
「うっせ。色々オレもあんだよ」
「なにがあんだ」
「なーいしょ」
「可愛くねぇぞ」
「オレもう二十代半ばなんでそんなのいらないっス」

企業、といったようにリボーンが勤めるは世界中に規模を広げている大企業らしい。らしい、というのはそこまで綱吉は詳しくは聞かないからだ。嘘か真かはわからないが聞いても覚えてらんない、というのが綱吉の言い分だ。
ただ日本国内、海外問わず出張はたびたびある。それゆえに時折リボーンは店に来なくなることがあるのだ。

「でもリボーン君の買ってきてくれるお土産はいつも美味しいから嬉しいわあ」
「一回コイツにケチつけられたからな」
「いや悪かったよあれは。けど、うん、オレの口には合わなかったんだもん」
「無駄に舌肥えていやがるなオメーはよ。それ以来俺が一度試食してから買って来てるからハズレはねーんだ」
「さすが」

リボーンがここに土産を買ってくるのは一度や二度ではない。海外へ行けば買って来るし、日本国内でもめぼしい物なら買って来る。しかし土産。それも海外となれば同じクッキーでも味は日本と少し違ったりする。もちろん美味い物もあるのだが、以前買って来た焼菓子は「うん、まずかねーけど微妙」とぽろりと綱吉に零されてしまったのだ。それ以来リボーンは味見をしてから買って来る。

「じゃあ今日のエスプレッソは私のおごりよ」
「マジか」
「ええ。今日のお土産も美味しいんでしょう?お礼よ」
「ありがとうママン」
「じゃあオレは次奢ったげる」
「なんなら今日の飯でもいいぞ」
「店潰すのか」
「わかったわかった、ツナは次な」

そんなやりとりを見て昼の営業の終わりを告げる札を奈々がドアにかけに行った。










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リボーン 21歳
世界規模の大企業に勤める。高校卒業少し後になんかツテがあったらしく入った現在の会社。
ナッツには二十歳の頃にふらりと引き寄せられるようにして入ったのが始まり。本社は別だが、リボーンがよくいる支部は近いらしくそれ以来昼休みにやってくる。それがナッツの昼の閉店間近でほぼ客のいない時間。
あまり人と深く関わろうとしないのだが、綱吉を気に入ったらしく沢田母子とは仲良くしてる様子。端正な顔立ちゆえにかなりモテるらしく、女性関係で嫌なことがあった時は夜もやって来て綱吉に愚痴を零す。


同期にはアルコバレーノが勢揃い。活かせそうにない設定としては、リボーンの入った年は新入社員はたった8人(or7人)で、皆色々と才能が秀でている。多分営業に秀でてんじゃねーかな←

アルコバレーノ全員は無理だろうなあ。
ルーチェを同期の新入社員にするか少し先輩にするかで迷う。ルーチェ書けないけど!



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