中学生
2011/06/16


並中トリオ




「なに難しい顔してるの?」

難しい、というより険しい顔して獄寺が煙草加えて携帯と睨めっこしていた。俺とツナはその隣で昼飯。俺は量が多いし、ツナは食べるのが遅いからゆっくりだ。

「朝からそんな顔してねーか?」
「してたしてた」
「そう、ですか?」

うんうんと二人で頷けば、獄寺はふうと煙を吐き出した。

「どしたんな?」
「なんかあるなら聞くよ?」
「そんな!大丈夫っスよ!」
「でもずっとそんな顔してる」
「それは……」

いやでも、だのなんだかんだで踏ん切りつかなそうな獄寺。言いたくないことなんだろうかとも思うけど、じれったいから言えよと軽く言ってみた。

「どっから入手したのか俺のアドレスにわけのわからん女からメールが来てんだよ」
「誰それ?」
「並中の誰か」
「面識は?」
「一回会ったんスけど、あんま覚えてないんスよ」

獄寺にはこういうことがある。別段仲良くない奴らは名前をあまり記憶しないことが。確かにツナにも俺にもあるけど獄寺が一番覚えない。多分覚える気がない。

「モテる男は辛いなー」
「ほんとだよねぇ」
「違います!十代目は素晴らしすぎてその素晴らしさが理解しきれない奴らが多いんですよ」
「なにそれ?」
「あ、俺それわかるわ」

なんていうんだろ。ツナにしかない雰囲気とでもいうかな。まさしく大空みたいな。気付くやつと気付かないやつの二つにぱっくり別れるんだよなこれ。

「ほら!つーか山本はこんなんねぇのかよ」
「俺携帯持ってねーもん」
「チッ」
「えー。お前それで舌打ちってなんだよ」
「うるせー」
「ほんと仲良しだよね、二人とも」
「どこがっスか!」

のほほんとツナが言うから俺もハハハと笑った。仲良し、と言うか獄寺が一方的に突っ掛かってくるんだけどなあ。面白いからいいけどな。

「けどいいなー携帯」
「俺ら持ってねぇかんな」
「買ったら教えるね」
「俺も教えるよ」
「俺にも教えてください!」
「もちろん獄寺君にも」
「ありがとうございます!」
「獄寺、俺は?」
「どうしてもなら教えてやる」
「素直じゃないのなー」

そんな日常のけだるい昼下がり。









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獄寺モテ話。
獄寺はツナのアドレスなんかは
教えてもらってその直後に
短縮できるとこに登録しそう。
山本はそこに父親とツナと獄寺を。
ツナはそういう機能を
わかんないって投げだしてたらいい。



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