本丸記 | ナノ

それからもこの身体の持ち主の性格やら刀剣達の状態やらを聞いているうちにあっという間に良い子は寝る時間になった。
夕食の時は勿論私一人分の食事しか出てこなかったのだが、どうやら刀剣はお腹はすくし食事をとることも出来るが食べなくても死にはしないらしい。
ちなみに彼は顕現した頃から何も食べてないとのこと。めっちゃおかず見てた涎出てた・・・お肉あげたらすっごく喜んで食べてました。

「──そういえばあるじさま、あしたはどうしますか?」
「あーそっか、審神者として指示とか出さないといけないんだっけ?」

今剣から説明あったし冊子も読み直したしで割といろいろ知識を詰め込んだから疲れた。私そんなに勉強できる方じゃないんだけどなぁ・・・。
何はともあれ審神者業をする必要がある。あまり前と違う行動をし過ぎると怪しまれるからね。普段は出陣出陣出陣らしいから今日で既にアウトかもしんないけど。
ちなみに政府へその日一日の報告をしなければならないとのことだったのでさっき慌てて出しました。
最近出陣続きだったため刀剣達のモチベーションや体調を考えて体制を見直していく、と。

──────────

次の日、朝起きたら一緒に寝たはずの今剣がいなかった。枕元に置手紙がしてあって子供らしい字で"あさのよういをしてきます"と書いてあったため一安心。
にしても昨日は今剣がいて本当に良かった。どこになんの部屋があるとか"私"の立ち居振る舞いとか、彼がいなかったら本当に何にもわからない状態だったからね。

さてさて、着替えて顔洗って今日一日の刀剣達の予定を組みますか。
洗面所で顔洗って部屋に戻り、置いてあったパソコンを起動する。審神者マニュアル一式を机にどーんと置いて、備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターをいただいて飲みながらパソコンをポチポチ。
マニュアル見ながらだから時間かかるけどこればっかりは仕方ないね。
刀剣達の状態や部隊編成が出てくるがとにかく酷かった。中傷重傷のまま放置されてる者や錬度の差がすごかったりで思わず「なんだこれ」と声が出てしまった。
うん、取り敢えず手入れ優先で。怪我の酷い人と出陣続きだった人はしばらく休養な。
というかもう心身共に手厚いケアが必要ですよ全員。

えーっと、手入れにも資材が必要で・・・ってあれ、資材の残り少ないじゃんこれ。足りるの?一回にどれくらい消費するんだろ。今剣のとき全然気にしてなかったからなぁ。
怪我の浅い人に遠征に出てもらって資材集め、んで重症者は残りの資材量を見ながら手入れ部屋に放り込んでおこう。
あー、これ怪しまれるなぁ。面倒事にならなければいいなぁ。

「あるじさまー、あさげをおもちしましたー」
「あ、はいはいありがとー」

頭を悩ませていたところで今剣がご飯を持ってきてくれたため思考を一旦中断する。
中に入ってきた彼は恐る恐る、こちらの顔色を窺いながら二人分の膳を部屋に入れた。

「あの、ぼくも、その・・・ごいっしょさせていただいていいでしょうか・・・」
「いいよいいよ!一人じゃ心細いからね。一緒に食べよ」

自分の分の膳を持って今剣においでと促せば顔をキラキラさせてついて来た。かわいい。
二人で話しながら食べていたが彼曰くどうやら近侍だった長谷部という人から朝餉を持ってくる役を奪って来たそうだ。あの人長谷部っていうんだ。

それと今後の方針を相談したら今剣は大賛成してくれた。皆怪我が酷いから早く元気になってほしいと。皆と楽しく遊びたいと。

「──ごちそうさま。よし、じゃあさっそく支度して重症者から手入れ部屋に放り込んでいきますかね」
「はい!」

食べ終わった膳を持って、二人は厨へ向かった。


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