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「よぉ!ネイサン!
どうしたんだ?昼飯にはちょっと早いんじゃないか?」

「それが、今日の仕事は思ったより早くに終わっちまったんだ。
こんなこと、めったにないんだけどな。」

「そうか!
じゃあ、酒でも飲むか!
それとも町に繰り出すか?」

「いや…それよりジュリアン、石を掘りに行かないか?
あんたが一緒だと、いろいろ教えてもらえるし…」

「そのことなんだが…ちょっと早いけど、昼飯でも食いながら話そうか。」

「あ…あぁ…」

ジュリアンとネイサンは、宿舎に向かった。
宿舎の食堂には少しずつ鉱夫達の姿が増え始め、厨房内ではまかないの者達が忙しそうに動き回っていた。



「なぁ、ジュリアン…
やっぱり今日は良い機会だと思うんだが、鉱山につきあっちゃくれないか?」

「…ネイサン、これを受けとってくれ。」

「何なんだ、これは?」

「アメジストだ。
この石を奥さんへのプレゼントに使ってくれないか?」

「ジュリアン、一体、いつこれを?」

「え……っ?!
え…っと、それはだなぁ…
……じ、実は、昨夜なんだ!!
昨夜、急に思い立って掘りに行ったんだ!!」

「えっっ!!じゃあ、昨夜、突然いなくなったのはそのせいだったのか?」

「そ、そ、そうなんだ。」

「なんだって、夜なんかに…」

「それが俺の悪い所なんだ。
思いついたら、押さえが効かなくてな。
ネイサン、石っていうものにはいろんな言い伝えがあるんだが、アメジストには『親しい友人からもらったものはより大きな幸せを運んで来る』っていう言い伝えがあるんだ!
それを思い出したんだよ。
この石だったら指輪二つ分くらいの石が採れる。
で、あんたと奥さんのペアリングとかペンダントトップにしてもらえないかと思ってな。」

「アメジストにはそんな言い伝えが…?
そうだったのか!
ジュリアン、おまえって本当に良い奴だなぁ…
ありがとう!
喜んでいただくよ!
本当にありがとうな!!」

ネイサンは、ジュリアンの身体を抱き締め、とても嬉しそうな笑顔を見せた。



「たまたますぐに見つかったのも運が良かった。
きっと、その石はあんたの元へ行く事になってたんだと思うぜ。」

「いや…ジュリアン、あんたのおかげだよ。
本当にありがとう!
俺は、仕事柄、指輪はつけにくいからペンダントにしてもらうよ。
シャーリーの分もペンダントで良いかな?」

「あぁ、良いんじゃないか?奥さん、喜んでくれると良いな!」

「もちろん喜んでくれるさ!」

ネイサンの笑顔を見ながら、ジュリアンは心の底から安堵した。
これでもう大丈夫だ。
ジュリアンはほっと胸をなでおろし、もう少しすれば起きるであろう地震のことを考えていた。


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