ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ
エミリア2


「本当?助かるよ!
今日はツイてるな!
君みたいな人と知り合えて、僕は本当にラッキーだよ!」

そう言って屈託のない笑顔を見せたリオを一瞥すると、少女は足元のラルフに視線を落とした。



「この猫……あなたの?」

「うん、そうだよ。
僕の友達……あ、猫なんか店に連れていっちゃまずいかな?」

「猫なんか……だと…?」

「え……?」

ラルフの小さな呟き声に、少女はラルフを見つめたまま足を止めた。



「あ、あれ?どうかしたの?」

愛想笑いを浮かべてしらばっくれるリオに、少女は一瞬戸惑いながらもゆっくりと首を振る。



「……なんでもないわ…
……うちは、そんなこと気にするような店じゃないから大丈夫よ。
もちろん、この鳥もね…」

少女は、そう言ってリオの肩のレヴィを顎で示した。



「ありがとう!……良かったな、レヴィ。
おまえも一緒に入って良いんだって。
本当に良い人と知り合って良かったな!」

「……その鳥、レヴィっていうのね。
じゃ、この猫は?」

「この子はラルフ…それと、僕はリオ。
君は……?」

「……エミリア。」

「エミリア…可愛い名前だね。
よろしくね!エミリア!」

片手を差し出したリオに、エミリアは俯いたままおずおずと手を重ねる。



「ねぇ、エミリア、お店は何時からなの?」

「……特に決まってないわ。」

「そう、じゃあ、早く行こうよ。
僕、お腹減ってるんだ!」

「……ねぇ……どうして何も聞かないの?」

「え……?」

エミリアの質問の意味がわからなかったわけではなかったが、リオは、それをとぼけて受け流した。
二人の間に、何とも言えない気まずい空気が流れる。



「えっと…それは…」

「……なんでもないわ!
さ、早く!
店はこっちよ!」

リオの言いかけた言葉を遮り、エミリアは町の中へ駆け出した。


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