ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ
エミリア13


「……リオ……
あなたの言う通りよ。
今日、お店で皆が私のことを誉めてくれたら、私、とても嬉しくて…
嬉しいと、相手にもこんなに優しい気持ちになれるんだってわかったわ。
……私ね、実は前から考えてたことがあるの。
酒場をまた元の食堂に戻して、そこで父さんに腕をふるってもらいたいの。
本当は父さんは畑仕事なんて好きじゃないのよ。
一番好きなのは料理を作る事だって知ってるわ。
そしたら、両親と私と三人で一緒に働ける!
それとね、ミッシェルのことも両親に話して、三人で会いに行こうと思うの。
ミッシェルには女の子が生まれたらしいのよ。
アレックスもとってもかっこいいし、二人の子供だったらきっと天使みたいに可愛い子だわ。
その子を見たら、両親もきっと二人のことを許してくれると思うの。」

「……君はアレックスが好きだったんだろう?
会うのは辛くないの?」

「……そんなこと…
私はこれからもっと素敵な人と恋をするんだもの。
ちっとも気にならないわ!
……なんて……本当はちょっと複雑な想いもあるんだけど…」

そう言いながら、エミリアは肩をすくめ小さく笑った。



「今の君ならきっと良い人と出会えるよ。
……そして、きっと良い家族関係も築けると思う。
これからまだいろいろと大変かもしれないけど、頑張って!
君なら必ずやれるよ!」

「ありがとう!リオ!
私はあなたに命を救われただけじゃなく、あなたのおかげで私は生まれ変われたのよ。
言葉では言い尽せないくらい、感謝してる。
リオ、良かったらいつまででも好きなだけここにいて!
昼間のうちはここにいれば問題ないでしょう?
もしも働きたいなら、夜、働ける所を探して来てあげる。」

「ありがとう、エミリア。
……でも、僕は行かなきゃならないんだ。」

「えっ!?
どうして?」

「……うん…きっと、それが、僕のすべきことだから……かな?」

まるで自分自身に問い掛けるように、リオは小首を傾げそう答えた。


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