「国王……
もう少し大きくなったら、オニガワラさんと共にあのカリスマ美容整形医師に綺麗にしてもらいましょう。
それまで国民にはモザイクをかけた画像を公開しておけば良いではありませんか。」

「そ、そうだな!
第一、この顔はモザイクなしでは放送コードにひっかかってしまうからな。
……ん……おぉ!ミカエル!どこに行っていたのだ!?」

ふらりと姿を現したミカエルに、皆の視線が集まった。



「どこにって……
皆、どうかしたのか?」

「どうかじゃないぞ!
ミカエル!うまれたんだぞ!
ほら、これがおまえの子だ!」

「ま、まさか!予定日はまだ先じゃ…
………げげ-----っっ!」

巨大な赤ん坊の顔を見たミカエルは3m程吹っ飛んだ。



「どうだ?オニガワラさんにそっくりだろう?」



ミカエルは、青い顔をして震えながら頷ku。



「おまえ……まだこの顔に慣れないのか?」

「だいぶ慣れたんだけど、やっぱり急に見るのはまだダメだな。
……しっかし、ガーラにそっくりだな!生き移しじゃないか!」

「遺伝子というものは本当におそろしいものだな。
そうだ、ミカエル…オニガワラさんに会ってきたらどうだ?」

「そ、そうだな……」



なりゆき上仕方なくとはいえ、そして、まだあの顔に完全に慣れたとはいえないものの、ミカエルとガーラはそれなりにうまくいっていた。
それというのも世間ではミカエルはすっかり「ブス専」として認知され、「マニアック王子」「変態王子」と影で囁かれるようになった今、ミカエルを相手にする者は誰もいなくなってしまったからだった。

あの出来事を教訓に酒もすっかりやめ、最近のミカエルの趣味はスィーツの食べ歩きだけとなってしまっていた。



「ガーラ、お疲れさん。大変だったな。」

「あ、ミカエル、来てくれたのね。」

「ミカエル様、この子の名前はもうお決まりなのですか?」

「う〜ん、それがまだ決まってないんだ。」

「ミカエル!『かば男』なんてどうかしら?」

「『ごり男』っていうのも良いかもしれんぞ!」

「……おやじ…おふくろ…
もっと真面目に考えろよな!」



「私達は大真面目です!!」



二人の声がマナ・●ナのようにぴったりとハモった。



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