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「もうじきだね!
あぁ、あたしはまるでジネットの母親になったような気分だよ。
ジネット、大丈夫かな?
どうしよう、落ち着かないよ!
ねぇ、ねぇ、まだ見にいっちゃいけないの?」
「心配しなくても、明日か明後日…もしかしたら、今日にも狼煙があがりますよ。」
「もぅ!あんたったら、なんでそんなに冷静なんだよ!
産まれてくるのはあんたの子供なんだよ!
ねぇ、ねぇ!絆の家の近くまで見に行こうよ!
狼煙があがったらすぐに行けるように近くで待ってようよ。」
「狼煙ならここからだって見えますよ。
それに係の人がずっと見てて下さってますから、狼煙があがったらすぐに知らせてくれますよ。」
「でも……
ねぇ、レヴ、行ってみようよ!」
「なぜ、私なんだ?
連れて行くならヴェールだろう。」
「じゃ、ヴェール!」
「なんだか恥ずかしいですよ。
私はここで待ってます。」
「いいよ、いいよ!
誰も行かないんなら、あたし一人で行くから!」
「おいおい…待て…仕方がないな。」
サリーの言葉にレヴが立ち上がった。
「サリーさんったら、本当にカタリナのことを心配してくださってるのね…」
「……やっぱり、私も行ってきます!」
レヴとサリーが出かけるのを見て、ヴェールも外へ飛び出した。
「あらあら…」
そんなヴェールをディサは微笑みながら見送った。
「やっぱり、レヴも気になってたんだ?」
「そうではない。
君が、入ってはいけないと言われてる所へ入ってしまうのではないかと心配しただけだ。」
「いくらあたしでもそんなことしないってば!
産まれる前に見にいったら、子供が死んじゃうって言われてるんだろ?」
「言い伝えだろうが、そういうことを気にする人も多いだろうからな。」
「あ、ヴェール!」
後ろからこっそりついてきていたヴェールをサリーがみつけた。
「やっぱり来たか…!」
「そりゃあ気になりますよ。」
「そりゃそうだよね〜!」
三人は絆の家の近くに着いた。
やはり、まだ狼煙はあがってはいない。
「やっぱり、まだだね…
あ、なんか食べるものでも持ってくれば良かった!」
「君は、一体、何時間ここにいるつもりなんだ…」
「まあ、そう言わ…」
「どうした?」
「しっ!黙って!」
三人は耳を澄ませたが、あたりには何も聞こえない。
「……気のせいだったか…
今、赤ん坊の鳴き声が聞こえたような気がしたんだよ。」
「それは、君がそのことばかりを考えて…」
レヴの言葉が途切れた。
「今…」
「あぁ、確かになにか聞こえたな…」
「鳥の声ではないでしょうか?」
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