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次の日の夕暮れ近くになって、ヨンネが三人を誘いに屋敷にやってきた。
「そろそろでかけましょうか。」
ヨンネを先頭に、三人は黙って後をついて行く…
(…なんか、今日のヨンネさん、いつもと違って話し掛けにくい雰囲気だね…
私、聞きたいことがあるんだけどなぁ…)
(何を聞きたいのか知らないが、別にそのくらい良いんじゃないか?)
(そうかな?…じゃ…)
「ヨンネさん!」
「はい?!サリーさん、なんでしょうか?」
「あのさぁ…
私、森の民の暮らしについてほとんど知らないんだけど…
ネリーにお花なんて持っていっても良いのかな?」
「…サリーさん…
あなたがそうなさりたいのなら、どうぞ…
特におかしなことでない限りは、駄目なことなんてありませんよ。
あなたが花を持っていかれたら、マイユ様もきっとお喜びになると思います。」
「そうかい。
良かった…」
サリーはすでに摘んできていた花を後ろに隠し持っていた。
「それと、もうひとつ…
森の民のお参りは満月の夜って決まってるの?」
「いえ、そんなことはありません。
いつでも行きたい時にいけば良いのです。」
「でも、今日は…」
「満月の夜は…そうですね、人間の社会で言うミサのようなものと考えていただければ良いでしょうか?
少し意味合いは違うかもしれませんが…」
「満月の夜が来るごとに、ミサがあるってこと?」
「そうではありません。
今回のようなことがあった時だけです…」
「今回のようなこと?」
…それはおそらく森の民の死を意味するのだろう…
誰かが亡くなった時に行われる葬式のようなものではないかとレヴは理解した。
村の長の屋敷は村の奥にある。
そこからさらに奥に行くと対になった鉱山があり、そして今日はさらにその奥に進んでいた。
(村はこんなに奥まであったんだね。
けっこう広いもんだねぇ…)
レヴは、サリーの発したその言葉に今までずっと疑問に感じていたことを思い出した。
森の民のこの村は、はたして現実の土地なのか、それとも何か次元の違うような場所にあるのだろうか…?
レヴの好奇心はかきたてられたが、そんな立ち入ったことまで聞くのはまだ早いような気がして、訊ねることはしなかった。
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