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(……いっそ、死んでしまおうか……)
この世界では私は一人ぼっち…だけど、あの世に行けばみんながいる。
おばあちゃんも母さんも、幼くして亡くなった風子も……
そんなことを考えると、涙が込み上げ、ぽろぽろこぼれた。
まともじゃない。
なにもかも失ったことで、心が傷ついてるからこんなことを考えてしまうんだ。
冷静な私がそんな分析をする反面、感情的な私はますます涙を流し、イライラした気持ちを消化出来ずに、地面を拳で叩き続けていた。
(もうだめだ…
私にはもう何もない……何もかもなくしてしまった……)
悲しくて苦しくて心細くて…感情のコントロールが利かなくなっていた。
その時、不意に強い風が吹き、子供の甲高い笑い声が聞こえたような気がした。
「だ、誰?
……風子?」
『お姉ちゃんの心の邪魔なもの…私が全部吹き飛ばしてあげる…!』
笑い声と共に、また強い風が吹き抜けた。
「ふ、風子!?風子なの!?」
私は立ち上がり、あたりを見渡した。
広い丘の上には誰もいない。
「風子…風子ーーーーー!」
ありったけの声を上げ、私は妹の名を呼んだ。
『私はいつも傍にいるよ…』
幻聴なのか何なのかわからないその言葉に、私は救われ、その場に泣き崩れた。
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