(……いっそ、死んでしまおうか……)



この世界では私は一人ぼっち…だけど、あの世に行けばみんながいる。
おばあちゃんも母さんも、幼くして亡くなった風子も……



そんなことを考えると、涙が込み上げ、ぽろぽろこぼれた。
まともじゃない。
なにもかも失ったことで、心が傷ついてるからこんなことを考えてしまうんだ。
冷静な私がそんな分析をする反面、感情的な私はますます涙を流し、イライラした気持ちを消化出来ずに、地面を拳で叩き続けていた。



(もうだめだ…
私にはもう何もない……何もかもなくしてしまった……)



悲しくて苦しくて心細くて…感情のコントロールが利かなくなっていた。



その時、不意に強い風が吹き、子供の甲高い笑い声が聞こえたような気がした。



「だ、誰?
……風子?」



『お姉ちゃんの心の邪魔なもの…私が全部吹き飛ばしてあげる…!』



笑い声と共に、また強い風が吹き抜けた。



「ふ、風子!?風子なの!?」



私は立ち上がり、あたりを見渡した。
広い丘の上には誰もいない。



「風子…風子ーーーーー!」



ありったけの声を上げ、私は妹の名を呼んだ。



『私はいつも傍にいるよ…』


幻聴なのか何なのかわからないその言葉に、私は救われ、その場に泣き崩れた。


- 42 -

しおりを挟む
コメントする(0)

[*前] | [次#]

戻る 章トップ

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -