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「確かに責任は感じてる。
大変なことをしてしまったって思ってる。
……でも、勝手なことを言うようだけど、私はシュウがこっちの世界に来てくれて良かったと思ってる。
私…シュウのおかげで少しずつだけど変わることが出来たし、今までこんなに毎日幸せな気分で暮らしたことなかったから……
シュウが来てくれたことに、私…心から感謝してるんだ。
それと、シュウと一緒に行きたいのは責任も感謝も関係なくて…それは……
それは……シュウのことが…す、好きだから。」

私は恥ずかしさのあまり俯きながらそう呟いた。



「ひかり……」

そっと視線を上げて見ると、シュウが私のことを潤んだ瞳で見つめてる。




は、恥ずかしい…!
でも…本当のことだから……



私は、顔を上げてシュウの瞳をみつめ返した。
シュウのゆらゆら揺れる切れ長の瞳に私が映る…あぁ…なんて幸せな瞬間……
私はこんな深刻な状況だというのに、とてもロマンチックな感情を抱いてしまい……
漫画でいうなら、薔薇の花に囲まれて、ハートやダイヤが飛び交ってる気分に浸ってシュウに腕を伸ばした。




「おいおい。
俺がいるのを忘れるなよ!」

「えっ!?」

兄さんの冗談めいたその言葉で、私ははっと我に返った。



「二人共…そう深刻になるなって。
確かに、大変なことではあるけど……簡単に考えて良いことではないが、考えてもみろ…人の気持ちは一生変わらないわけじゃないんだぞ。
しばらく母さん達から離れて暮らしていたら、きっと母さん達も諦めるさ。
美幸の気持ちが本物だってわかったら、親としては折れるしかないもんな。
……それに、子供でも出来たら、そっちに気を取られてシュウのことなんてどうでも良くなるに違いない。」

「そうだね!
そういえば、厳しい親が孫にはめろめろになるって話、よく聞くよね!」



……ん?
でも、その子供って……
親は…シュウと……わ、私……!?



私はかーーーっと顔が熱くなるのを感じた。
私が子供を産むなんて…考えられない!
だ、だって、シュウとはまだそんなとこまでいってないし、そ、そ、そんな恥ずかしいこと…!



「なんだ、美幸……顔が赤いぞ。」

「本当だ。
真っ赤になって……ひかり、何、妄想してるんだ!?」

な、なんだ!この二人は!
二人して私をからかってにやにやしてる。

でも、そんな二人を見ていたら、なんだかこっちまでおかしくなって来てしまって……



私達は笑ってた。
笑うような状況じゃないことは、皆、わかってる筈なのに……


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