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「ど、どうしたんだ、フレイザー!?」

「なんでもない。気にしないでくれ。」

ジャネットとエリオットに両肩を支えられたフレイザーは、目を丸くするラスターに曖昧に微笑み、三人は部屋の中に消えていった。



「……ラスター…どうかしたの?」

騒ぎを聞き付け、部屋から出てきたセリナが、ラスターに声をかけた。



「今、三人が戻ってきたんだけどな。
フレイザーの奴、怪我をしたみたいなんだ。」

「フレイザーが怪我を!?」

セリナは、すぐにフレイザーの部屋の扉を叩く。



「……セリナ……」

浮かない顔をしたジャネットが、ほんの少しだけ扉を開いた。



「ジャネット、フレイザーが怪我をしたってきいたんだけど……」

「あ…あぁ、それなら全然たいしたことないんだ。
心配しないでくれ。」

そう言うと、ジャネットは一方的に扉を閉めた。



「……ジャ…ジャネット!」



「なんだかおかしいだろ?」

セリナは立ち尽くしたまま、小さく頷いた。



「ジャネット…何か隠してるわね。」

「だよな…
一応、ダルシャに知らせるか?」

「そうね。町を見てくるって言ってたから、探しに行きましょう!」







「さぁ、出来たよ。
これを貼り付けて。」

エリオットは、フレイザーのやけどの上に、薬草を潰して作った膏薬を貼り付けた。



「これでずいぶん痛みが和らぐはずだよ。」

「ありがとう、エリオット……」

「何を言ってるの。
ボクの方こそ、本当にごめんね。」

「エリオット、あんたが謝る必要はないんだ。
練習台をかって出たのは私だし、私の代わりにやるって言い出したのはフレイザーなんだからな。」

ジャネットの言葉に、フレイザーもゆっくりと頷いた。



「これで、獣人と戦いになっても大丈夫だ。
おまえなら、必ずうまくやれるよ。」

フレイザーは、エリオットの肩を優しく叩いた。



「……フレイザー……」

エリオットは唇を噛み締めながら、小さく頷いた。

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