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「……ここがフェンディアだね。
何日くらいかかるかな?」

「せいぜい四、五日だろうか……」

「そんなに遠くはないんだね。」

オズワルドの家に戻った三人は、地図を広げ、先程聞いたばかりのフェンディアの町を確認した。



「ところで、さっきの話なんだけど……
どう思う?」

「おそらく、その女性は石の巫女ではないかと思う。」

「やっぱりそうよね……」

セリナはゆっくりと頷く。



「石の巫女だとしたら、きっとその人は何か困った状況にあったのよね。
だから、オズワルドさんが彼女を護るために一緒に同行した。」

「そうだろうな。
それで、ラスターの話が頭をよぎったのだが、彼女の場合、数ヶ月前の話だってことだから違う人物だろうな。
だが、そんなに何人も石の巫女がいるものだろうか?」

「確かにめったにないことだとは思うけど、でも、絶対にないとは限らわないわ。」

「ねぇ……」

何かを話しかけたエリオットが、急に戸惑ったようにその口をつぐんだ。



「エリオット……どうしたの?」

「……う…ん……
オズワルドさんが何ヶ月も戻って来ないのはなぜだと思う?
護り人って、そんなにずっと巫女と同行するものなの?」

「私、護り人についてはよく知らないから……
でも、巫女に何か問題が起こった場合、護り人さんはきっと命を賭けて巫女に尽くしてくれるんじゃないかしら?
だから、場合によっちゃあ何ヶ月もかかることだって……」

「そうなのかな……」

「え……?」

突然、小さな声で呟いたエリオットに、セリナは少し驚いたように問い返した。



「もしも…だよ。
ラスターの聞き込んできた話が本当だったとしたら、この大陸には石の巫女を狙ってる奴らがけっこうたくさんいて……
巫女を護ろうとしたオズワルドさんは、もしかしたら……巫女もろとも……」

「エリオット…まだ何の確証もないことをそんな風に言うもんじゃない。」

ダルシャにたしなめられ、エリオットは黙ってそっと俯いた。

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