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「ねぇ……ラスターの話、どう思う?」

「そうだな……
嘘ではないと思うが、彼は何かを隠してる…そんな気がする。」

「……隠してる?
ラスターが何を隠してるっていうんだい?」

エリオットは、ダルシャに不思議そうな顔を向けて訊ねた。



「良いか、エリオット。
彼は、セリナのことをとても大切に考えている……そのことは君も良く知ってるだろう?」

「もちろんだよ。
それが、何か……あ……」

何かを気付いたようなエリオットに、ダルシャはにっこりと微笑んだ。



「どうやら、気付いたようだな。
セリナのことをあれだけ心配してるラスターが、その男達のことを本気で巫女を狙う者達だと考えたなら、その時から相当警戒するはずだ。
なのに、あの調子だ。
やけにのんびり構えてると思わないか?」

「確かにその通りだね。
でも、ダルシャはラスターが嘘を吐いてるとは思わないんだね?」

「そうだな…全くの嘘ではないということになるか……
たとえば、私達に伝えてないことがあるとか、なんらかの嘘はありそうだが……
それが何かはわからないが、とにかく、彼はそれほど危険だとは考えていないのだろうな。」

「……本当にそうだと良いのだけど……」

ぽつりと呟いたセリナの声に、ダルシャとエリオットは彼女の方をみつめた。



「セリナ…心配するな。
例え、この大陸にそいつらがいたとしても、君には私達が着いている。
君には指一本触れさせやしない。」

「ダルシャ…ありがとう。
そうよね…あの時とは違う。
母さんと二人っきりだったあの時とは、違うのよね……」

まるで、自分自身に言い聞かせるようにそう言ったセリナの肩を、ダルシャが優しく叩く。



「いざとなったら、私には人間以上の力を出すことが出来るんだぞ。
だから、安心したまえ。
あ、でも、そのためにはナジュカを捕まえておく必要があるが……」

「ナジュカ…って…あっ、そっか!」

セリナとエリオットは顔を見合わせて笑った。

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