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「で、オズワルドさんが住んでるはどのあたりなの?」

「住んでるかどうかはわからないが……」

そう言いながら、ダルシャは立ち止まり地図を広げた。




「今いるのが……」

「このあたりだよね?」

エリオットが、素早く現在地を指差した。



「そうだ…オズワルドの住所はこのあたりだから、せいぜい四〜五日もあれば着くと思う。」

「やけに早いね。」

「だが、手紙の返事が来ないってことだから、ここにはいないのかもしれないし、なにかあったのかもしれない。
だとしたら、情報を探さなければいけないし、意外と日にちはかかるかもしれないぞ。」

ダルシャは地図をまるめ、袋にしまった。



「ねぇ、ダルシャ……もしも、オズワルドさんがみつからなかったらどうするの?」

「どうするって……みつからなければ、残念だが諦めるしかないだろう。
ローダンの町で、ラスター達が来るのをのんびり待つさ。」

ダルシャの答えに、セリナとエリオットは、思わず顔を見合わせた。



「ラスター達の方でも情報は掴めなさそうだし、今回は、願い石を探すのはなかなか大変そうだね。」

「仕方ないさ。
本来ならば、願い石を見つけることは酷く難しいことなんだから。
幸い、セリナがいてくれたり、たまたま幸運が重なって今までは見つかっては来たものの、本当なら一生みつけらなくても当然のものなんだからな。」

「ダルシャ……でも、願い石がみつからないとあなたは困ったことになるわけでしょう?
そもそも、困ったからこそ、願い石を探しに来たのよね?」

「その通りだ。
だけどね……ここまで旅を続けて来て、私の気持ちもなんとなく変わって来たんだ。
今の私は特に悩みなんてない。
そりゃあ、突然、ナジュカに登場されたら、私の身体には変化が起きるから困ると言えば困るのだが、さっきも話した通り、厄介ごとだと思うことも時と場合によれば、それが幸運と呼べることにもなり得るんだ。
そんなことを思うとね……以前のように、何が何でも元に戻りたいとは思わなくなった。
私のような完璧な者には、少しくらいウィークポイントがあった方が良いのかもしれないな。」

そう言って、ダルシャは片目を瞑って笑った。





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