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「えーっ!そ、そうなのか?」
「それはすごくラッキーだったね!」
「だろ?……ったく、ダルシャの奴…こんな時にまだ帰って来ないなんて……
って、まぁいつものことだけど……あ〜あ、これだから女好きは困るな。」
次の朝、朝食の席で、ラスターはみんなに顔を寄せるように合図した。
少しもったいぶったラスターが小声で話したのは、酒場で願い石に関する重要な話を聞きこんだということだった。
昨夜、ダルシャとしばらく一緒に飲んだ後、ダルシャは女性のいる所へ向かい、ラスターは店を変えて飲んでいるうちに、その話を聞いたとのことだった。
「まさかこんなに早く目的地が決まるなんてな。
ダルシャが戻って来たら、早速、そこへ向かって出発だな!」
「そ、そうだね!」
護り人のことは気になるものの、やはり、今回はラスターの話の方が重要なのではないかとエリオットは考えていた。
「それはともかく、ラスター…一体、どんな話を聞いたんだ?
詳しく教えてくれよ。」
「それはダルシャが帰って来てからだ。
ここでは話しにくいし……二度手間になるからな。」
「なにが二度手間だって……?」
まだどこか酔いが残っているのか、もしくは睡眠不足なのか、なんとなくいつもより気の緩んだ様子のダルシャが、食堂に急に姿を現した。
「安物の香水の匂いが酷いな。」
「朝っぱらから文句はやめてくれ。
昨夜はいささか飲み過ぎて、少しばかり頭が痛むんだ。」
そう言いながら、ダルシャは席に着き、水差しの水をごくごくと飲み干した。
「ダルシャ…ラスターが、昨夜、願い石の重要な話を酒場で聞き込んで来たんだって。」
ダルシャの隣に座っていたエリオットが小声で、そう囁いた。
「願い石の情報を…!?
そうか、では、部屋で詳しく話を聞こう。」
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