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「じゃあ、ダルシャ……
おじいさんの知り合いの護り人さんに会うつもりなの?」
「当然じゃないか。
彼らに、石の在りかはわからないとはいえ、やはり一般の人々よりは願い石に近い存在だ。
なんらかの情報を知ってるという可能性も強い。
話を聞かない手はないだろう。」
「なるほど……
あ、それにしてもダルシャ……
なんで、さっきはそのことを言わなかったんだ?」
「あぁ!ボク、わかった!
ラスターは、護り人さんのことを嫌ってるからだね!」
したり顔でそう言ったエリオットに、ダルシャは頷いた。
「その通りだ。
ラスターは護り人に良くない印象を持っている。
彼はああいう性格だから、護り人がセリナを傷つけたと感じてるんだろう。」
「そんな……あれは私が勝手に……護り人さんが悪いわけじゃないわ。」
真剣な目で訴えるセリナに、ダルシャは穏やかな微笑みを返す。
「彼も頭ではわかってるんだと思う。
だが、少しでもセリナに悲しい想いをさせる奴は許せない…そんな気持ちなんだろうな。
だからといって、駄々をこねるようなこともないだろうが、いちいち文句を言われるのも煩わしい。
だから、適当なことを言って、オズワルドの所へ向かおうと思う。」
「オズワルドっていうのが、護り人さんの名前なんだね。
ねぇ、ねぇ、おじいさんとオズワルドさんはどこで知り合ったんだろう?」
「どうだろうな、詳しいことは何も書いていない。
きっと時間がなかったんだろうな。
わかっているのは、オズワルドという名前と彼の住む村だけだ。
それで……セリナ……君にも聞いておきたいのだが……君はどうなんだ?
護り人と会うのはやはり気が進まないか?」
皆の視線が集まったことで、セリナは少し戸惑ったような表情を浮かべたが、やがてゆっくりと首を振った。
「私なら大丈夫よ。
あの時は取り乱してしまったから、おじいさんとはあまりお話も出来なかったし……私ももう少し護り人さんに話を聞きたいと思ってたの。」
はっきりとした口調でそう答えるセリナに、皆は安心したように頷いた。
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