19


「おーーい!わかったぞーー!」

遠くから声を上げ、息を切らしたフレイザーが皆の元に戻った。



「お疲れ様。
遠くまで走らせて悪かったな。
それで、護り人の家はどっちだって?」

「……護り人?
あ、そうか…そうだったな……
俺、イリヤの家を聞いて来たよ……」

そう言いながら、フレイザーは照れ臭そうにぽりぽりと頭を掻き、ダルシャはそれを見て苦笑いを浮かべた。


「まぁ、良いじゃないか。
イリヤの家の人なら護り人のことも知ってるだろうし、ついでにイリヤの消息もについてもお伝え出来るからな。」

「そうだよ。
ここまで来てイリヤの家に寄らないっていうのもおかしいし、ちょうど良かったじゃない。
早く行こうよ!」

「あ……あぁ、そうだな。
イリヤの家はこっちらしい。」



エリオットに背中を押され、フレイザーは先頭に立ちイリヤの家に向かって歩き始めた。







「フレイザー…本当にこっちなのか、どんどん寂しくなっていくぜ。」

「こっちにずーーーっと行った所にある青い屋根の家だって言われたんだけど……」

「いくらずーっとたって……
行き過ぎたんじゃないのか?さっきあった緑の屋根の家が……あ……」

不満げに話していたラスターの目が、すすけた青い屋根の家とその脇にある狭い畑にいる子供を捉えた。



「あ!あそこじゃないか?」

「え……?
あぁ、きっとそうだ!
あれだな!」

六人がその家に近付いて行くと、それに気付いた子供達は怯えた顔をして家の中に駆けこんだ。



「なんだ?あいつら……」

「さぁ?……とにかく、行ってみよう。」

見ただけで広くないことがわかる小さな古い家の前に着くと、ダルシャが前に進み出て、ゆっくりと扉を叩く。


- 567 -

しおりを挟む
コメントする(0)

[*前] | [次#]

トップ 章トップ

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -