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Umpireのお仕事(終)
By ハルト(アラモード/スピカ)
2011/10/23 00:52
それは突然だった。
 
「次のイベントに向けて、皆で下見に行こうと思うの」
 
「皆と言っても、まだシークレットだから僕ら幹部だけだけどね」
 
ひょいとリリスちゃんの持っている書類を見てみると、『紅葉狩り』の文字。珍しく真面目に(こう言っては失礼か)書類整理をしていると思ったら、何てことはない、新しいイベントの詳細を考えていただけだった。
 
(副総帥として決裁する書類はまだこんなにあるんだけどなー……)
 
彼女の机の端に追いやられたそれ。僕が代わりに処理できるものは半分くらいだろうか。後は秘書であれ、助けることはできない。アマリーくんに無理矢理に回されるだけ。
 
「アラドくん、何か意見でも?」
 
「ないでーす」
 
善は急げとばかりに、双子はさっさと出かける準備を始めた。それに倣って僕も鞄に色々詰め、新しく買ったストールを巻いて準備万端だ。
さて、あとは
 
 
「あら、皆でおでかけ?」
 
 
執務室の扉を開けたのは、最近この仕事部屋の仲間入りを果たした女性。
艶のある手入れされた髪をまとめげ、ちらと見えるうなじが色っぽい。胸や足の女性的な柔らかさを大胆に露出した服からもスタイルの良さは明らかである。
 
「急に外の用事を頼んで申し訳ない、ネヴァン。おかえり」
 
ネヴァンちゃんはアマリーくんの労いの言葉を笑顔で受けると、「用事」の内容だろう、分厚い封筒を彼に渡した。(正確に言うと、彼に近寄る途中ですっ転んで、宙に飛んだ封筒がアマリーくんの手に綺麗に着地した)
 
「大丈夫?幹部陣で次のイベントの下見なんだってさ」
 
「あ、あ、アラドくんが私に手を差し伸べて……!!」
 
転んだネヴァンちゃんを引っ張り上げて簡単な説明をすると、「すぐに行きましょう!」となかなか乗り気。なんだか最初から興奮気味だったので、肝心の『紅葉狩り』というワードは聞いていたのかどうかは分からない。
 
さて、暫くして全員の準備が整った。準備といっても、下見なので本当に外出するだけのもの。
 
 
「で、どこに下見に行くんだっけ?」
 
 
双子がにんまり同じ顔ふたつ。
 
 
「「真っ赤で綺麗でおいしい場所」」
 
 
-----------------
こんばんは!HALからHN変更いたしました、アラドとスピカの親のハルトです。
ちるさんから許可をいただきましたので、新生Umpireでイベントの下見ネタです!ミン88さんが既に投稿されてましたが、文章内にあるように紅葉狩りの下見、とうっかり気付いてないということにしていただければ私的にとってもお得です……(なんてひどい

もうちょっと続きますので、またお子さんお借りいたします!宜しくお願いします。

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無題
By ちる
2011/10/29 20:26
ハルトさんこんにちは!いつもお世話になっておりますちるです!
双子使っていただきありがとうございますー(*´∀`*)

リアクションは遅れ気味になってしまいましたが、下見ネタお待ちしておりました!新生Umpire…!
台詞等に皆さんの性格が出ていて思わずにやにやしてしまいますえへへ…´`*


では、ありがとうございました!

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無題
By ハルト(アラモード/スピカ)
2011/10/30 13:30
『真っ赤で綺麗でおいしい場所』。双子が僕らを連れてきたのは、BARの近くにある小さな山。山と言ってもハイキングに最適な、そんなに険しくない場所だ。
ここを紅葉狩りの舞台に選ぶってことは、もしかしてこの山はUmpireの所有だったりして。色々手広くやってるから山のひとつくらい持っていてもおかしくない。
 
「アラドくんアラドくん」
 
山道をひたすら歩いていると、ネヴァンちゃんがちょいちょいと肩をつついてきた。こんな場所でもヒールを履いてさくさく歩いているなんてちょっと信じられない。(さっき何もない所で転んでたけど)
 
 
「いつもこんな事してるのかしら?秘書っていうから、私てっきり事務とか、そういうのだと思っていたのだけど」
 
「他の職場ならそうだろうけど、この双子の秘書は肉体派だよ」
 
「あらあら、何だか楽しそうね」
 
 
そうそう、楽しいから僕もここにいるんだよねー。なんてひとり頷きながら、先をすたすたと歩く双子を駆け足で追いかけた。
紅葉の最盛期は来週くらいか、それならイベントに丁度良い。夏の緑がすっかりなくなった山の中を四人で進んでいく。すると、ずっと「道」だったところから、急に拓けた場所に出た。
 
 
「ふむ、ここなら宴会にピッタリなんじゃないかな」
 
「そうね、ここならピッタリね。地図に書き加えておきましょう」
 
(……このふたりは紅葉狩りの意味を知っているのだろうか)
 
 
お酒を飲んで騒げたらいいと思っているはずだ。花見とはまた違うことに今更ツッコんでも遅いだろう。
 
「宴会?宴会するの?お酒が飲めるの?」
 
ただしネヴァンちゃんはそれ以前の問題だ。ちゃんと説明してあげようかな、と思ったけれど、まぁいいや。
 
 
ざわ、と秋のひんやりした風が木々を撫でていく。春とも、夏とも冬とも違う音。紅い葉で遊ぶ秋の音だ。
 
「秋の歌でも、作ろうかな」
 
思い出すのは子どもの頃に歌った童謡。かなしげなそれを頭の中で僕の曲調に組み替え、即席でメロディを口ずさんだ。うん、なかなかいいかもしれない。
視界の端っこでネヴァンちゃんが恍惚の表情を浮かべていることには気付かない振りをして、僕はそのまま歌い続けた。
 
 
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こんにちはー!ハルトです。
毎回イベント文を中途半端に終わらせてしまって申し訳ないのですが、それが私です!
前回に引き続き、お子さんをお借りさせていただいてありがとうございました!
 
>ちるさん
嬉しいお言葉ありがとうございます!Umpireが大好きで、いつもお借りする時はニヤニヤしながらぽちぽち打っております!何だかアラドが唯一のツッコミ役のような気がしてなりません……(笑)いえ、きっとアマリーくんが頑張ってくれるはず!
またお借りさせていただくこともありますので、宜しくお願いしますね!

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無題
By ミン88
2011/10/31 23:24
反応が遅くなってしまい申し訳ありません…
こんばんは、はじめましてハルトさま!
ネヴァンの親のミン88と申します。

Umpireにお世話になってまだそんなに日は経っていませんが、さっそくチュウありがとうございます!
ニヤニヤしながら読ませて頂きました^^*

時間がある時に…!と先走って投稿してしまってご迷惑をおかけしました…´`
ですがうまく繋がるようにと下見ネタ…!高い文章力とお心遣いにひたすら感涙です…!

そして勝手にファン設定にしてしまったのですが、それもうまく使って下さり……本当に嬉しかったです!
アラドくんがステキすぎて大好きです^^*

変な所抜けてるところなど本当にそのままネヴァンで!
そして双子さんもミステリアスで!
そしてツッコミ役になりつつある少し苦労人なアラドさん!
皆さん大好きです/////

この度は本当にありがとうございました!
これから新生Umpire、よろしくお願い致します!

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