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[55]のい様宅ミシンさんとチュウ!
by 火燐灯子
2010/12/24 11:58


冬の凍てつくような寒さが和らいだとある日の午後。

ごまあんは散歩がしたくなって外に出た。時折何もないがぶらぶらと散歩がしたくなる性分なのだ。そのためどこに行く、という明確な目的はない。
道なりに歩きながらごまあんは天気予報で見た今日の最高気温を思い出し、冬の暖かさは温もりだ、と考えていた。春の暖かさはまどろみであり、夏の暖かさは刺激であり、秋の暖かさはとろとろとしている。同じ温度でも季節によって感じ方は違う。
そんなどうでもいいような事を考えながら路地を抜け人通りがまばらな大通りへと出たごまあんは大きいとも小さいとも言えない花屋の前で立ち止まった。


ポインセチアが店頭を赤と緑のクリスマスカラーで飾っている一角、クリスマスの贈り物にどうぞ、と可愛らしいポップとともに青いバラが置かれていた。
「もうそんな季節ですか」
確かにUmpireの面々が慌ただしく準備をしていたような気がする。しかしそれでもクリスマスを忘れていた季節感のない自分とそして自然界には存在しないはずの青いバラにごまあんは苦笑しまた歩き出そうとした。
しかし青いバラをじっと見つめている人物に目が、そして足も止まった。コートの上からでも分かるすらりと細身だが均整のとれた体躯のその人物をどこかで見た事があるような気がしたのだ。
「腕章は…青。ということはKeeperの方。試合の時?でもそれ以外でも見たことがあるような…あ」
思いだせずもどかしい、という表情を浮かべていたごまあんはふいに思い出した。そしてごまあんが悩んでいる間もずっとバラを眺めていた彼の近くまで歩みよった。
そして、
「間違っていましたらすみませんが、ミっくんではないでしょうか?」


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[56]続きですよっ
by 火燐灯子
2010/12/24 12:00
声を掛けられた彼はごまあんを見てかすかに眉を寄せた。
「…それだれから聞いた?」
「イトさんからです。正確には直接聞いたのではなくあなたがイトさんの病室に入られた時イトさんがあなたをそう呼んでいらしたのが聞こえたのですが」
「ミっくんは忘れてくれ…本名はミシンだ」
肩をすくめるごまあんにミシンと名乗った青年はぼそりと言いまた視線をバラへと戻した。
「花がお好きなのですか?」
「…ああ」
「では、その青いバラの花言葉はご存知ですか?」
「…知らない」
「奇跡、と言うのですよ。遺伝子的に不可能と言われていた青いバラですが科学の進歩によって生み出された。まさに奇跡だ、ということのようです。しかし奇跡というのは偶然の重なった結果だという人もいます。偶然の重なった産物だと。またある人は、偶然は必然であり奇跡もまた必然だ、という人もいるのです。例えば今日約束していた訳でなく偶然私とミシンさんがお会いしたこともとある人から言えば奇跡であり、とある人に言わせれば単なる偶然であり、またとある人は必然的な事だと言うのでしょうね」
一人で長々と話すごまあんに対してミシンはじっと花を見つめていた。
ごまあんはミシンが聞いているのかどうかわからなかった。だがなぜかすらすらと口が動いていた。

「…だから何が言いたいんだ?」
ふいにミシンが言葉を漏らした。もちろん視線は花に向いたままだ。
「そうですね…今の話ミシンさんはどう思います?」
ちゃんと聞いていたのですねという言葉を飲み込んでごまあんはミシンに問いかける。
「結構どうでもいい」
「私も一緒です」
「…じゃあさっきの話はなんだ?」
「しいていうならなんとなくでしょうか」
「なんだそれ」
さらりと言ったごまあんの言葉にミシンはあっけにとられたようだった。そんなミシンにごまあんはくすくすと笑った。

とある冬の日の午後、時がゆっくりと流れて行った。




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[57]ありがとうございました。
by 火燐灯子
2010/12/24 12:16
のい様宅ミシンさんをお借りしました!
日記ネタも参考にさせていただき、かつイトさんまでお借りした結果になったのに非常にざっくりした終わり方になってしまって申し訳ありません←

ミシンさんらしさをどう表現するか悶々としていましたらこんなぎりぎりの提出となってしまいました…。
今もきちんと表現できてるかどきどきです(そわそわ
こんなの違う!とかありましたら後日リベンジさせていただきますのでがんがん言ってくださいませ。

ではではありがとうございました!


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[67]感動しました!!
by のい
2010/12/25 12:22
初めまして!火燐灯子様
ミシンの親ののいです!

この度はドロライにて共演していただきありがとうございます(^O^)!

そして作品を拝見させていただいた時に最高に悶えました(萌え的な意味で)

素晴らしいです!!
私が奴を動かすよりよっぽど本人らしいです><
なんだか息子が妙にイケメンに思えてきます(錯覚)

そしてごまあんさん素晴らしいキャラですね
ごまあんさんからのみっくん呼びに昇天しました←
惚れてもいいですかいえやはりもう惚れました(^^)←

内容も凄く素敵なシナリオで感無量です
個人的にこういう清楚な内容は大好きです///

今回は本当にありがとうございました!
今後ともにどうぞよろしくお願いします(^^)!


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